幅広い層から支持を得ているコンパクトカークラス。その代表がトヨタのヤリスで、2024年7月の販売台数は9890台と1万台に迫る勢いだ。しかし、トヨタ以外にも魅力的なクルマはたくさんある。今回は「トヨタに負けないライバル車」と題して日産、スズキ、ホンダから魅力的なクルマを探っていく。
※本稿は2024年9月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月10日号
■価格の高いノートが健闘
登録台数はヤリスが突出して多いが、ノーマルエンジンとハイブリッドが約50%ずつの比率。そこを踏まえると、ヤリスとプラットフォームなどを共通化したアクアはハイブリッド専用車ながら販売は堅調だ。
全長とホイールベースが少し長く、後席の居住性と乗り心地を快適に仕上げた。バイポーラ型ニッケル水素電池の採用で動力性能も優れ、ヤリスハイブリッドの売れゆきを上まわる。
ノートもe-POWER専用車だが販売は堅調で、上級モデルのノートオーラを加えると登録台数がヤリスに迫る。後席はヤリスよりも広く内装も上質。乗り心地は少し硬いが、ヤリスの14インチタイヤ装着車のような粗さは抑えた。
フィットは大人気のN-BOXに顧客を奪われて売れゆきは伸び悩む。それでも全長が4m前後で、全高を立体駐車場が使いやすい高さに抑えたコンパクトカーでは車内が最も広い。後席の足元空間はハリアー並みだ。
燃料タンクを前席の下に搭載したから後席を格納すると広い荷室になる。価格は高機能なe:HEVながら割安だ。フィットには1.5Lガソリンエンジン車もある。
クルマ好きにとって最も魅力的なコンパクトカーはスイフトだろう。2WDの車両重量は1トン以下で、ステアリング操作に対する車両の動きも正確だから、軽快に運転できて上質感も味わえる。
5速MTもあり、運転が楽しくWLTCモード燃費はフルハイブリッドに近い25.4km/Lだ。メーカーオプションのカーナビは、脇見や居眠り運転を警告する機能も備えている。
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