なぜ日本人はBEVを買わないのか? 世界で乗用車新車販売比率18%だけど日本だと1.8%な理由

性能のいいハイブリッド車が比較的安価で購入できるもの要因

 また、日本のハイブリッドカーが優秀すぎるのも、日本でBEVが普及しない理由でしょう。20km/Lを超えるハイブリッド車が税込300万円~購入することができますし、BEVよりもバリエーションが豊富で、好みのクルマを選ぶことができます。また、リッター300円を超えている欧州の燃料価格と比べて、日本の燃料価格は、レギュラーガソリン170円、ハイオク180円、軽油150円と、高くなったとはいえ、安いのも、BEVを選ぶ必然性に欠ける理由でしょう。

 燃料代がさほど高くないことに加えて、BEVよりも低価格で購入できるハイブリッドカーがあり、このハイブリッドカーと、まともに勝負ができるBEVがない、となれば、BEVが選ばれないのは、もはや必然だと思われます。

ハイブリッド専用コンパクトの「アクア」。35.8km/Lという圧倒的な低燃費と、ハイブリッド車らしい軽快で上質な走りを両立。価格はなんと税込214万円~
ハイブリッド専用コンパクトの「アクア」。35.8km/Lという圧倒的な低燃費と、ハイブリッド車らしい軽快で上質な走りを両立。価格はなんと税込214万円~

力技でBEVを売ることはできるだろうが、どれほど意味があるのかは疑問

 中国では、BEVに対して多額の購入補助金を交付したり、大都市を中心にナンバープレートの発給制限を、BEVは無制限に許可するなどによって、BEVを半ば強引に普及させましたし、米国の中でも環境意識の高いカリフォルニア州では、渋滞時に2~3人が乗車しているクルマが優先的に走ることができる有料レーンを、BEV利用者はドライバーだけでも無料で使うことができる制度なども導入されています。

 日本でも、日常的に渋滞が発生する高速道路に、BEV優遇レーンを設けるなどすれば、BEV購入を考える人は増えるでしょうが、こうした力技でBEVを売ることにどれほど意味があるのかは疑問。もちろんカーボンニュートラル問題は、もはや待ったなしの状況ではありますが、日本では日本の条件にあった方法でカーボンニュートラルを実現していかなければ、持続可能ではなく、効果的ではないのではないか、と考えます。

日常的に渋滞が発生する高速道路に、BEV優遇レーンを設けるなどすれば、BEV購入を考える人は増えるだろうが、力業でBEVを売っても持続可能ではないのではないか
日常的に渋滞が発生する高速道路に、BEV優遇レーンを設けるなどすれば、BEV購入を考える人は増えるだろうが、力業でBEVを売っても持続可能ではないのではないか
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