2023年末に登場したレクサス LBX。ヤリスクロスなどと共通のプラットフォームを使用する高級コンパクトSUVだ。こりゃあ試乗してみないワケにはいかないと意気込んだテリーさんだったが、まずはディーラーの建物に注目!?
※本稿は2024年11月のものです
文:テリー伊藤/写真:レクサス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年12月26日号
心身のすべてで「レクサス」を味わう
編集部でレクサス LBXの試乗車を申し込んだら、レクサス若林店(東京都世田谷区)に来てくださいということになった。
私はレクサスでクルマを買ったことがないから縁はなかったが、妙に存在感のあるこの店自体はよく知っていた。初めて入れて興奮している。
ヘンな話かもしれないが、まず思ったのは「屋根が凄い」ということだ。おそらく最高級の木を使っている。高級感は、そういうところに出るものなのだ。
世田谷あたりは細い道が多いから、コンパクトなLBXがよく売れるという。この店も期間限定で「LBXラウンジ」を開設しており、LBXにまつわる多くのアイテムが展示されているほか、オーダーメイドシステムを採用している「ビスポークビルド」の各種素材や色味なども実物を見ながら確認できる。
ポルシェで店に来て、奥さん用にとLBXを買う人もいるらしいが、7〜8割はファーストカーとして購入するという。また、BMWミニから乗り換える人が多いという話もあった。
レクサス若林店には納車の儀式を行う部屋もある。お店の人に見送られて、赤い絨毯が敷かれたガレージからクルマを出していくのだ。
気恥ずかしさも感じるが、そういう儀式をやってくれるというなら断る理由はない。逆に開き直って、王様になった気分でとことん楽しめばいい。奥さんも喜んでくれるだろう。
2階はオーナーがふらっと来店してお茶を飲めるラウンジになっていて、ほかの店舗で買った人でも利用できるのだとか。こうしたサービスを継続してきたレクサスはたいしたものだ。
「一度レクサスを買うと、ほかにはいけない」という話を聞いたことがあるが、わかるような気がする。
【画像ギャラリー】レクサス車に「乗る」のではなくレクサスブランドを「味わう」のだ!! コンパクトで高級感のあるレクサス LBX(24枚)画像ギャラリーレクサスは「夢の国」を築き上げた
クルマの話をしよう。今回乗ったのはLBXビスポークビルドで、内外装を自分好みにコーディネートできる仕様。黄色のボディカラーはこのグレード専用である。
走らせると、エンジンが意外と粗いことに気づく。ヤリス、ヤリスクロスと同じ3気筒1.5Lハイブリッドだと聞くと納得するし、だったら燃費は最高にいいだろうとも思う。
ブランド品というのは、使い勝手や機能以上にブランドそのもので利益を得ている。例えばルイ・ヴィトンと同じ革を使ったバッグも財布も世の中にはあるが、ヴィトンと同じ値段では誰も買ってくれない。
クルマも同じことで、LBXはヤリスクロスより6割ほども高価だが、それでもたくさん売れていて文句を言う人もいない。このブランド力を作り上げたレクサスの努力は高く評価されるべきだろう。
LBXで街を走っていると、とても安心できることに気が付く。サイズの小ささによる運転のしやすさに加え、何かトラブルが起きても販売店がうまく対応してくれるだろうという信頼感もある。そのうえでレクサスに乗っているという誇りも加わるのだから鬼に金棒である。
お客さんはきっと、レクサスのクルマというより、レクサスのブランドを買いに来ている。「年末大バーゲン」とか「決算セール」などのノボリが立っている国産車ディーラーばかりのなかで、レクサスだけが夢の国になっているのだ。ここで買いたいと思うのは当然のことだろう。
ただ、もう少し別のアプローチがあってもいいと思う。レクサスといえば革のシートでシックな内装と誰もが思っているだろうし、そこから外れない安心感があるのも確かだが、あまりにも決めつけすぎではないだろうか。
ラリーのイメージがあってもいいし、サーフボードが似合うレクサスもあっていい。ポップなものが好きな富裕層だってたくさんいるのだから、そろそろ新しいチャレンジをしてもいい頃なのではないだろうか。レクサス店の新たな展開を見てみたい。
【画像ギャラリー】レクサス車に「乗る」のではなくレクサスブランドを「味わう」のだ!! コンパクトで高級感のあるレクサス LBX(24枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方展示車のLBXに座ってみました。
身長175cmの自分が運転席のポジションを合わせると、その後席はドアを開けるとリアシートとフロントシートの間隔が狭くて足が通らない。なので足を座面より上に持ち上げないと乗り込めない。この時点で却下せざるを得ない。UXもラゲッジスペースが狭すぎて却下。