クルマの消耗品のなかでも、最重要部品であるタイヤ。ただ、交換コストも高い傾向にあることから、できる限り交換頻度は下げたいところですよね。
タイヤは、クルマを走行させれば走行させるほど、摩耗していくわけですが、どんな使い方でも一定の速度で摩耗していくわけではなく、使い方次第で、ある程度タイヤの寿命を伸ばすことはできます。タイヤの寿命を伸ばす術をご紹介しましょう。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_がサポートされています/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】タイヤの寿命を伸ばす走り方…知ってるのと知らないので大違い(6枚)画像ギャラリー据え切りや段差乗り上げは要注意
タイヤの寿命を延ばすために、真っ先に気を付けてほしいのが、タイヤ空気圧です。クルマのタイヤには、それぞれメーカーが指定する空気圧が設定されています。この指定空気圧が維持されないと偏摩耗が起こってしまい、その結果、狙い通りの寿命を全うすることができずにメーカーの設計よりも早く寿命を迎えてしまうことになってしまいます。
タイヤの空気圧は、クルマに乗っていなくとも月に数%ずつ抜けていきます。月に一度は、指定空気圧になっているか、チェックをしましょう。タイヤ空気圧は、走行した後だとタイヤ内の空気が温まっていることで高めに出てしまうため、走り始めのタイヤ内圧が低いときを基準にして、毎度合わせるようにしましょう。
日々の運転操作において気を付けてほしいのが、クルマが止まっているときにハンドルをグルグル回す「据え切り操舵」。クルマのタイヤ一輪には、300~500kgもの荷重がかかっており、これだけの荷重がかかっている状態でハンドル操作をして地面にこすりつけることは、タイヤトレッドを削っている行為。一度や二度ならばまだしも、日々の運転でこの据え切り操舵を繰り返してしまうことは、タイヤにとって深刻なダメージとなってしまいます。据え切り操舵をする場合は、わずかでもいいのでクルマを動かしながら操作するようにしましょう。
また、縁石や段差、キャッツアイなどの突起に乗り上げたりすることも、タイヤに強烈な衝撃が加わってしまうため避けてほしい行為。昨今のクルマのタイヤは低扁平化が進んでおり、扁平率35~45%を標準サイズとするクルマも増えていますが、こうした低扁平なタイヤは、タイヤのサイドウォールが撓むことで出来る「逃げ」が少ないため、ホイールと突起物との間でタイヤのサイドウォールが潰れ切ってしまい(ピンチカット)、最悪の場合、パンクに至ってしまいます。段差やキャッツアイなどに遭遇した時は、突起を極力踏まないよう、車速を落としてタイヤの軌跡を選んで進むようにしましょう。
交差点やコーナー走行時の車速を抑えることで、タイヤの摩耗は減らせる
タイヤの摩耗を減らすにはまた、交差点やコーナーで、スピードを落とすことも重要。少し専門的な用語で表現すると、大きなタイヤスリップアングルが付くような運転をしないようにすることです。
タイヤスリップアングルとは、クルマの進行方向と、転舵したタイヤが向いている方向との角度のこと。前輪のタイヤをイメージすると分かりやすいですが、極低速だとタイヤスリップアングルはゼロに近く(タイヤの向きとクルマの進行方向がほぼ一致する)、タイヤへの負担は小さくなります。ただ、速度が上がるとタイヤスリップアングルが増加し、これによってタイヤの横滑りが増え、特に前輪の外側(ショルダー部)の摩耗を進めることになってしまうのです。
交差点で左折をするときや、きついコーナーを走行する際に、ハンドルを切り増ししたり、タイヤが「キュッ」と鳴るようだと、車速は高すぎです。車速がコントロールできていれば、ハンドルを操作する量が少なく済むため、タイヤへの負担は確実に減ります。交差点やきつめのコーナーでは、差し掛かる手前で減速を終わらせて、余裕をもった車速でコーナーへ進入するようにしましょう。
コーナーを抜けた後にアクセルをオンにするタイミングも、旋回が終えて車の向きがまっすぐになってからで十分です。もちろん、不必要な急発進や急ブレーキを控え、できるだけスムーズな運転を心がけるようにしてください。
コメント
コメントの使い方特に iceに比べ重いBEVなンかは 要注意だね
速度控えめで急の付かない安全運転。
無駄な荷物は燃費悪化するので積まない。
前から言われてる事だな。
冒頭の写真のタイヤ結構酷いけど、
それ以上に溝無しツルツルで、
もっとカーカス出てるのを見た事がある。