「復活」が重要なキーワードになっている最近のトヨタの新型車の動きだが、過去に消滅しているクルマの情報がまたもや入ってきた。今度はエスティマ。1990年登場の「天才タマゴ」が次世代電動車で華麗なる復活を遂げる!?
※本稿は2024年12月のものです
文、予想CG:ベストカー編集部/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
■エスティマ復活計画が再始動
2020年3月に販売を終了したエスティマだが、その1年半余り後の2021年末には、早くも「復活する」との情報が編集部に入ってきていた。
電気自動車(BEV)専用プラットフォ―ム「e-TNGA」を使うBEVミニバンとして計画されており、2022年1月10日号の記事を読み返すと「エスティマBEVは2024〜2025年に登場する」と予想していた。
その予想は「思いきり外れていた」としか言いようがないのだが、頭を掻きながらも聞いてほしい言い訳があって、e-TNGAがこれほど広がりのない技術になるとは誰も思っていなかったのである。
bZ4X(&ソルテラ)もレクサスUX300eもRZも販売不調。現在のトヨタは次世代専用プラットフォームの開発に注力し、e-TNGAはかなり影が薄い。その流れに合わせるかのようにエスティマの情報も完全に途絶えてしまった。
その前には、エスティマは燃料電池車(FCEV)に進化するという説もあった。2017年の東京モーターショーに出展した「ファインコンフォートライド」がそのコンセプトカーで、実用化はまだ先だとしても、方向性は明確に示したと思われていたのだ。
しかし、FCEVも思ったようには発展せず、BEVに切り替え。だが、それもe-TNGAの思わぬ不調で計画を根本から組み直す必要が生じたということなのだろう。エスティマの情報は3年近く途絶えていたのである。
この膠着状態に変化があったのはつい先日。信頼できる筋から「エスティマ復活プロジェクトが再開したらしい」という情報が入ってきたのだ。しかも、興味深いことにパワーユニットはBEVとプラグインハイブリッド(PHEV)だという。
それ以上の情報はまだなく、開発状況の詳細に迫れるのはまだ先になりそうだが、「エスティマの開発が再開している」という事実が重要。トヨタが今、全力で進めている次世代のBEV技術が満載のハイテクミニバンになるのは間違いないのだ。
【画像ギャラリー】2027年デビューか!? 生まれ変わる「天才タマゴ」トヨタ エスティマの予想CG(30枚)画像ギャラリー天才タマゴが電動車で甦る
次期エスティマはBEVやPHEVなど複数のパワーユニットを選択できる新開発「マルチパスウェイプラットフォーム」を使うことになりそうだ。
クラウン、カムリ、RAV4などに採用されているガソリン車向けのGA-Kプラットフォームをベースとするもので、既存の工場でエンジン車と一緒に生産できるから効率がいいし、新たな投資も少なめで済むというメリットもある。
トヨタは次世代BEV専用プラットフォームの生産開始時期を、2026年から2027年半ばに遅らせると発表したばかりだが、これは、それとはまた別のプラットフォーム。前述のとおり複数のパワーユニットを搭載できるという特徴があり、まさに「マルチ」に使えるアイテムなのである。
1990年に登場した初代エスティマは、ワンモーションスタイルから「天才タマゴ」のキャッチフレーズが付けられていたが、ミドシップレイアウトを採用するなど技術的にも斬新だった(だから“天才”と名付けられた)。
エスティマは「斬新なミニバン」という立ち位置が重要で、だからFCEVに進化するという戦略も大いに納得できたのである。
FCEVは断念したかたちになったが、BEVとBEV寄りのPHEVというパワーユニットは、エスティマにふさわしい斬新なパワーユニット。2025年には市場投入するといわれている電気信号で操舵するステアバイワイヤ(SBW)を採用する可能性もある。
トヨタはエスティマの車名を使う限り、デザインも技術も斬新でなければならないと考えているはずだし、ファンの気持ちも同じ。初代エスティマをオマージュしたデザインが計画されているという説もあり、そちらも楽しみだ。
デビューは2027年と予想。時間をかけたぶんだけ、得られる成果も大きいはずだ。
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