■強力ライバル、新型ヤリスに対するアドバンテージは?
新型フィットにはすでに試乗しているけれども、エンバーゴの関係でここで話しすることはできない。しかし、新型ヤリスには、つい先日試乗したばかりでこちらはお話することができる。どちらもプロトタイプではあるのだが、方向性ははっきりと確認できている。
では、ヤリスについてだけお話ししよう。 まずデザインだが、かなりアグレッシブ。ユニセックスという点では、マツダ2のほうが女性は抵抗感がないかもしれない。
エンジンはすべて直列3気筒エンジンで、1.5Lハイブリッドと1.5Lのコンベンション、そして1.0Lの3種類。マツダ2はガソリン、ディーゼルともに直列4気筒だからスムーズさは上。
ハイブリッドモデルは、回生ブレーキの減速レベルが倍になっていて、コーナリングのターンインが気持ちよく決まるハンドリングになっている。前作のヴィッツに比べて、ボディもしっかりしていて剛性感がある。ねじり剛性は30%以上向上しているという。
サスペンションは、マツダ2に比べると明らかにキャラクターが違っていて緩い。サスペンションを動かして乗り心地を確保しているタイプだ。ただ、こちらはまだプロトタイプで、試乗もサーキットだったので、実際に一般道を走ってみないと正確なことは言えない。ただ、予想としては新型ヤリスの乗り心地はかなりいいと感じた。
ヤリスにもToyota Safety Sense が装備されていて、レーダークルーズとレーンキープアシストも採用されている。ただし、ヤリスのレーダークルーズは30 km/h以上で、0km/hまでの渋滞対応ではない。この点、マツダ2は全車速対応だ。
また、ヘッドアップディスプレイも選ぶことができ、こちらはフロントガラスに投影するタイプ。この点はヤリスの勝ち。コンパクトカーといえども最近では運転支援システムが充実してきている。
これまでは高級車の標準アイテムだったが、すでに軽自動車にも採用されるようになっていることからも、このクラスに採用すされるのは自然の成り行き。いわゆるサポカーSワイドの基準のさらに上を行く支援システムの装備がこれから常識化していくだろう。
このあとフィットも登場するわけで、マツダ2の苦戦は免れないだろう。だが、ハイブリッドシステムを持たないマツダ2は、それゆえに軽快なハンドリング、さらに1.5Lディーゼルのトルク感に相反する経済性、そして持つことに満足を与えるデザインと質感を実現している。
流行りモノにとらわれないでじっくり考えるならば、マツダ2を選択して損はないと思う。
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