自身の体の健康に関わる食品には賞味期限や消費期限がある。さすがにクルマのパーツに賞味期限はないが、寿命を迎えるパーツは多くある。モノによっては明確に“◯年”と期限が決められているパーツもあるのだ。長期休暇期間中は今一度、愛車の消耗品をチェックするチャンス! この機会に一度総チェックしてみてほしい。
文/山口卓也、写真/写真AC
【画像ギャラリー】期限切れのクルマのパーツ、使ってませんか?(7枚)画像ギャラリー■使用期限が1日でも過ぎると車検不合格となる可能性の高いパーツも!
クルマのパーツには明確に期限が決められているものと、「〜を目安に交換」とされているパーツがある。
明確に使用期限が決められているパーツは、1日でも過ぎると車検に合格しない場合があるので、ユーザー車検で済ませている人は必ずチェックしておきたい。
【画像ギャラリー】期限切れのクルマのパーツ、使ってませんか?(7枚)画像ギャラリー■寿命を過ぎると事故につながりかねないパーツ
寿命を過ぎて使っていても 「効果が低下しているようだが特に不満はない」と感じる程度のパーツと、寿命を過ぎるとある日突然その正しい能力を発揮しなくなり、事故につながりかねないパーツがある。その代表的なパーツが次の2つ。
●タイヤ
タイヤはブレーキと並んで、安全走行に欠かせないパーツ。寿命をはかる目安は“残り溝”と“期間”。寿命を過ぎたタイヤを使っていると他車や他者をも巻き込む大事故につながりかねないのでしっかりと確認しておきたい。
・タイヤ交換の目安 残り溝1.6mm 使用期間5年 製造後10年
残り溝を正確に測るためには専用の工具が必要だが、工具がなくても残り溝が1.6mmに達したこと知る方法がある。
タイヤショルダー(肩)をよく見ると△マークがあり、このマークが指す先にあるのが「スリップサイン」と呼ばれるタイヤの寿命を見極めるための溝内の突起。残り溝が1.6mmに達するとこの突起が溝とつながる(溝と同じ高さになる)ことで寿命を知らせてくれる。
・4桁の数字が示す製造年週
多くのタイヤの製造年月はタイヤのサイドウォール(側面)に4桁の数字で記載してあり、製造年月というより製造年週の記載となる。
例えば3823と記載があれば、最初の2数字38はその年の38週目であることを指し、後ろの2数字23は2023年を指している。
残り溝と使用期間・製造年週のどちらを優先するか? という疑問があるが、溝がまだまだ残っていても使用期間が5年を過ぎているか製造後10年を経過したタイヤは、経年劣化が進んでゴムから油分が揮発して柔軟性が著しく低下していることがある。
こうなるとグリップ力が低下して大事故につながりかねないので、悩む人はタイヤ販売店などで点検を受けるべき。
●ブレーキ
タイヤと並んで、寿命を迎えたものは事故につながりかねないので即交換したいのがブレーキ関係。
摩耗するのはディスクブレーキでは主にブレーキローターと摩擦材であるブレーキパッド。ドラムブレーキでは主にブレーキドラムとブレーキシューである。
・ブレーキパッド交換の目安 残り厚2mm
・ブレーキシュー交換の目安 残り厚1mm
「残り厚」の目安を書いたが、ディスクブレーキはまだしも、ドラムブレーキの残り厚は外から目視できない。よって、DIYでタイヤを外してホイール交換するくらいの人でなければ自身で確認する方法はほぼないと思っていい。
お薦めなのは、タイヤ交換をショップにお願いする際にブレーキの摩耗具合も点検してもらうこと。「残り厚◯mmですね」と言われた際に、交換するかどうかを決めればいい。
また、次のような異常がある場合は交換の可能性は非常に高い。
・ブレーキをかけた時や走行時に異音がする(キーキーやシャンシャンという音)
・制動力の低下を感じる
・ブレーキペダルを踏むと振動する
・ブレーキペダルをいつもより深く踏まないと制動しない
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