とても良いじゃない!!!!!!!!! 初代[オデッセイ]のカタログ内容が名作すぎた件

とても良いじゃない!!!!!!!!! 初代[オデッセイ]のカタログ内容が名作すぎた件

 自動車購入の際、読みふけるカタログ。最近は紙カタログの廃止が相次いでおり、機能の説明ばかり。家電とは異なり、読み物になっていることこと、クルマカタログの良さだったと思うので、残念極まりない。読み物のカタログとして忘れてはならないのは、初代オデッセイ。非常にユニークな中身を振り返っていこうじゃない!!

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部

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■カタログが伝えたかったメッセージの意味

初代はホンダが提唱する「クリエイティブ・ムーバー」の第1弾として、1994年に販売が開始された
初代はホンダが提唱する「クリエイティブ・ムーバー」の第1弾として、1994年に販売が開始された

 初代オデッセイのカタログ、表紙中央には赤いオデッセイが小さめに写っている。この表紙をめくると突如出てくるのが「幸せづくり研究所」という文字と、背の順に並んだ老若男女8名。これから何が起こるのか、ここまででは予想もつかない。読者への掴みはばっちりだ。

 続いて、オデッセイのコンセプトやチャームポイントが説明される。クリエイティブ・ムーバーという言葉が初めて出てくるところだ。その後は車両の内外装写真が4枚続き、一般的なカタログの様相を見せるのだが、次ページから、1ページ目で振りに振った幸せづくり研究所とは何かが解き明かされる。

 もうここまでくると、次を読まずにはいられない状態になってしまう。小説の導入部分としては、満点の入り方だろう。

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■5つの理論や法則がオデッセイを作り上げる!?

搭載されている2.2L直4SOHCは非常にパワフルだった
搭載されている2.2L直4SOHCは非常にパワフルだった

 オデッセイの中には、大きく分けて5つの原理現象があるとカタログは語り続ける。それぞれの箇所が深く研究され、その箇所ごとに法則や理論が導き出されているのだ。

 車両前方からその研究を見ていこう。まずはエンジンルームや足回りだ。ここは走りの研究と題され「ワッハッハ原理」が使われているというのだ。

 その原理は、直進安定性に優れたFF方式やリアルタイム4WD、4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションや低重心ボディなど、オデッセイの走りを支える仕組みが説明されている。こうしたものがあと4つある。

 次は静けさの研究と題し「し~ん効果」、安全の研究は「おおぶね理論」、スペースの研究は「のびのびの法則」、快適の研究は「こりゃいい現象」というもの。

 簡単に言ってしまえば、静粛性・安全性・スペース効率・快適性の説明になるのだが、コミカルで間の抜けた名前が付くことで、何を意味するのかが想像しにくく、詳細な説明を求める自分がいることに気づくだろう。

 ここまでくると、もうオデッセイのカタログに隠された魔術に、まんまとかかっている状態なのだ。もう最後まで、目を通さずにはいられないぞ。気になる人は、是非原版を手に取って中身を確認してみてほしい。

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■機能説明だけにとどまらない美しさ

コラムシフトを採用することで、前席から後席へのウォークスルーを可能に
コラムシフトを採用することで、前席から後席へのウォークスルーを可能に

 自分の強みを説明しようと、詳細な機能説明に終始しがちなカタログなのだが、オデッセイのカタログは違う。実に物語を読むようなテンポで、カタログを読み進める事ができるのだ。

 しかし、機能説明が省かれているわけではないし、ウケを狙いすぎているところもない。硬さと柔らかさのバランスが、絶妙に取れている状態なのである。

 最近こうした面白味のあるカタログを見る機会が大きく減ってしまった。最新モデルのカタログは、新機能の説明ばかりでは飽きてしまうから、少しユーモアを交えてくれた方が、自動車人気も高まるのではないだろうか。

 最後に、当時のオデッセイは6人乗りか7人乗りなのだが、幸せづくり研究所には赤ちゃんを含めて8名の人間が並んでいる。メインキャラクターになったアダムスファミリーも、7人暮らしのはずなのだが、カタログには8人。

 研究所の研究員だから、乗車定員とは違うということなのか、ただのケアレスミスなのか。このあたりの真相は闇の中だ。こうした矛盾点を見つけ出し、ユーザーに考えさせるのも、ホンダとオデッセイの戦略だったのかもしれない。

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