世界の自動車のメインストリームの座をセダンから奪ったSUV。日本では特にコンパクトSUVが人気で、各メーカーから多数登場している。では、その中でもオススメはどのクルマか? 片岡英明氏に5台を選び出していただいた。
※本稿は2024年12月のものです
文:片岡英明/写真:スバル、スズキ、ホンダ、トヨタ、レクサス、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
おすすめコンパクトSUV1位:スバル クロストレック
マイルドハイブリッド(HV)だったe-BOXERに2モーターのストロングHVが加わり、俄然クロストレックは魅力を増した。エンジンはミラーサイクル化した2.5Lだから、多人数で乗っても余裕たっぷりだ。
しかも洗練された操舵フィールと乗り心地に加え、機械式フルタイム4WDにXモードの組み合わせだから、悪路も雪道も不安なく走れる。ただし、価格はちょっと高めだ。2Lのe-BOXERも素性のよさは同じだから楽しめるだろう。
フロンクスもスズキの力作である。1.5Lの4気筒マイルドHVは加速時にノイズが耳につくが、6速ATとパドルシフトを駆使しての走りが楽しい。素直な運転感覚とFF車の乗り心地のよさも好印象である。
取り回し性に優れ、扱いやすいのも美点だ。リーズナブルな価格設定だから、コンパクトで装備のいいSUVを探している人やワゴン感覚で街乗りに使いたい人にもお薦めできる。
ヴェゼルは平均点が高い。キャビンは広くて居心地がいいし、後席はチップアップなどが可能だ。ワゴン的な使い方ができるのも魅力である。
最新モデルは走りに磨きがかけられた。HVは走りや快適性も1クラス上の実力を秘め、ロングランを余裕でこなす。
前席優先で、スポーティな走りを楽しみたいという人にはヤリスクロスが向いている。意外にも荷物を積みやすい。
主役のHVは、低燃費を実現しながら乗り味はスポーティだ。ガソリン車も上手にまとめている。4WDに設計陣のこだわりが感じ取れるのも魅力だ。ただし、3気筒エンジンはそれなりに賑やかである。
レクサスLBXはヤリスクロスと同じクラスのSUVだが、内装のつくりも走り味も別物。1.5LのHVはレスポンスが鋭く、思いのほかスポーティな味わいだ。正確なハンドリングも高く評価できるポイント。
だが、高価だし、後席を重視する人には不向きだ。MORIZO RRは理屈抜きに楽しいスポーツモデルだ。
●片岡英明氏が選んだおすすめコンパクトSUV
・1位:スバル クロストレック(301万4000~405万3500円)
・2位:スズキ フロンクス(254万1000~273万9000円)
・3位:ホンダ ヴェゼル(288万8600~377万6300円)
・4位:トヨタ ヤリスクロス(190万7000~315万6000円)
・5位:レクサス LBX(420万~576万円)
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