2013年10月登場のダイハツ 3代目タント&タントカスタムのインプレッションをプレイバック。自動車評論家 スーザン史子氏が、「王者」ホンダN-BOXとの徹底比較を試みる!(本稿は「ベストカー」2013年11月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:スーザン史子/写真:平野学
■「ママ代表」のスーザン史子がタントの実用性をチェック!
ども、アラフォー主婦です。
3歳の息子は『獣電戦隊キョウリュウジャー』に夢中。彼がスーパースターになりきり、日々ブレイブするせいで、ママの体はボロボロ。電車に乗れば「ベビーカーが邪魔」って人に言われるし、クルマに乗れば息子がサンシェードを放り投げるし。
「オーーマイッ!(イアン・ヨークランド風に)」
そんな子育てファミリーにとって最強の味方となってくれそうなのが新型タント。両側スライドドアの採用もあって、さらに使い勝手がよくなっているんです。
なんといっても注目は、大開口のミラクルオープンドア。助手席を10cm前にスライドさせることで、ベビーカーを折り畳むことなく、進行方向に置ける。
ベビーカーのポケットから、おむつや着替えを取り出さなくてもいいなんて、超ラクチン! 助手席には乗降グリップが取り付けてあるから、息子はもちろん、じぃじやばぁばと一緒の時でも安心です。
後席まわりの装備も充実。窓には格納式のサンシェードを採用し、日よけ対策もバッチリ。
ウチは市販の吸盤式を使っていますが、窓は開けられないし、息子は外して放り投げるしで、まったく役に立たないっ。純正に勝るものはありません!
後席正面には、スマホや小型ゲーム機が入るよう設計された小物入れもいっぱい。
これなら、お気に入りのグミやミニカーが散乱することなく、すっきりと片付きそう! ぐずったときには、吊り下げ式の大画面モニターでDVDを見せることだってできるんです。
サンバイザーとバックミラーの位置も改善。これまでは「ヨガか!?」ってほど手を伸ばさないと届かなかったのが、より手前に取り付けられていて、ラクに操作できるようになっています。ユーザーの声、届きましたね!
今回は街中をチョイ乗りする程度しか試乗できなかったんですが、基本性能はムーブと同じということで、デキのよさとしては「間違いない!」と確信。
というのも、先日ムーブで東京から新潟まで高速道路を使って旅してきたんですが、NAエンジンながら、よく走ること、走ること!「これってターボじゃないよね!?」と何度も車検証を確かめたほど。しかも静かで、乗り心地もプレミアムコンパクトカー並みによかったんです。
タントは、同じ2WDのLグレードで比べると、ムーブより110kg車重が重く、発進加速において、多少のもっさり感は否めませんが、エンジン音は静かだし、いやな突き上げ感もない。アイドリングストップからの発進・停止の挙動も自然だし、乗り心地もいいんです。
ちなみに、ライバルとなるホンダのN-BOXに乗ってみると、エンジン音がより車内に響き、ワイルドで、より男っぽい乗り物といった雰囲気。
センタータンクレイアウトのおかげで、室内高を140mmと、タントより35mm高くとれることや、ベビーカーを畳まずに載せる際にも、後席の一席だけを跳ね上げればいいので、他の3席はまったく問題なく使用できる、といったことはN-BOXの有利な点として挙げられるかな。
とはいえ、タントは初代から約115万台が販売され、先代モデル末期でも月に1万台ペースで売れていたという大人気モデル。
ハイトワゴン軽の草分けとして、成熟を重ねた走りと、使い勝手のよさにおいては、やはり“無敵のスーパースター”といってもいいかな!
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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