警視庁によると、2024年上半期(1月~6月)に発生した、自転車の「ながらスマホ」が絡む交通事故(死亡・重傷)は、全国で18件。これは前年同期の2倍以上であり、2007年の統計開始以降過去最多、多くが動画を視聴しながら自転車を運転していたそうです。
運転しながらのスマホ利用が危険なのは、クルマも自転車も同じ。クルマに関しては、2019年にながらスマホに関する罰則が強化されましたが、自転車はどうなっているのでしょうか。
文:エムスリープロダクション/アイキャッチ画像:写真AC_エンリケ/写真:Adobe Stock、写真AC、警視庁
【画像ギャラリー】危険すぎるのに多すぎる自転車のながらスマホ、道路交通法はどうなってるの?(6枚)画像ギャラリー2024年11月に、自転車においてもながらスマホは禁止に
運転中のながらスマホに関しては、これまで、運転者の遵守事項について規定している道路交通法第71条の5の5において、「自動車、原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(略)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。」とされていましたが、2024年11月に施行となった改正道路交通法によって、「原動機付自転車」のあとに「又は自転車」という文言が追加となり、自転車においても道路交通法によって明確に禁止となりました。

「罰則」はクルマと同じ!!
条文にあるとおり、自転車でもスマホを手にもって通話をしてもいけませんし(停止中は除く)、ナビアプリを使用したとしても、運転中にスマホの画面を注視してはいけません。違反した場合の罰則は、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金。さらに、ながらスマホによって交通事故を起こすなどの交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
これはクルマと同じ罰則。クルマの場合は、通話したり画面を注視した場合(交通の危険を生じさせていないとき)に関しては、反則金制度が適用されるため、18,000円(普通車)の反則金を納付することで審判を受けることなく処理されますが、現時点反則金制度のない自転車の場合、道路交通法第118条の4に従うと、この罰則が適用されることになってしまいます(2026年5月までに自転車等に関しても反則金制度が新設される予定)。
自転車もクルマと同じ「車両」だということを忘れずに!!
自転車運転中のながらスマホの危険性に関しては、JAFが2014年にユーザーテストを実施しています。ユーザーテストでは、画面に集中したことで赤信号を見落としたり、飛び出してくる人やクルマの存在に気づくのが遅れてしまったほか、運転操作が不安定になってしまうという結果が出ており、JAFは「ながらスマホは周辺の認識が難しくなり、事故につながる大変危険な行為」だとして、注意を呼び掛けています。
気軽に利用でき、便利な乗り物である自転車ですが、乗ればクルマと同じ「車両」です。交通ルールを守って安全に利用しましょう。
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