ランエボ高っ!! 25年ルールで消えゆく日本のスーパー4WDの今

ランエボ高っ!! 25年ルールで消えゆく日本のスーパー4WDの今

 もともと人気が高く、中古車相場も高値安定だったランサーエボリューション。その第4世代と呼ばれるCP系のファイナルモデル、「トミーマキネンエディション」が発売から25年を迎え、価格が暴騰しつつある。そう、アメリカの25年ルールの影響である。

文:奥津匡倫(Team Gori)/写真:三菱自動車

CP系最終モデルであるトミーマキネンエディションがリリースされたのが2000年。今年で25年目を迎え、25年ルールの適応対象となってしまうのだ
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そもそもアメリカの 25年ルールって何だっけ?

CP系最終モデルであるトミーマキネンエディションがリリースされたのが2000年。今年で25年目を迎え、25年ルールの適応対象となってしまうのだ
CP系最終モデルであるトミーマキネンエディションがリリースされたのが2000年。今年で25年目を迎え、25年ルールの適応対象となってしまうのだ

 あらためて25年ルールに軽く触れておこう。アメリカでは右ハンドル車の輸入、販売、登録はできないが、製造から25年以上経過したものについてはクラシックカーとして登録が可能になるため、右ハンドル車でもそのまま輸入、販売が可能になるというもの。

 ついでに排ガス規制や関税も対象外となることから、何の障害もなくそのままの形で輸入、販売、登録ができるようになるという。

 ゲームや映画、アニメ等々、さまざまなメディアの影響もあり、アメリカはもちろん、海外で日本製スポーツモデルの人気は想像以上に高い。

 欲しくても買えなかったスカイラインGT-Rなどのモデルを長年待ち望んでいたアメリカ人は思った以上に多くいるようで、そんなニーズが日本の中古車相場を大きく押し上げ、現存する車両が海外へと流出するきっかけになっている。数が減ることでさらに値段が上がるという悪循環。日本のファンにとっては、好きだったクルマが買いにくくなる理由となっている。

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無視できない25年ルールのインパクト

CP系ではもっとも年式の古いエボV。最近では200万円未満で買えるものは見つからないほど値段が上がっている
CP系ではもっとも年式の古いエボV。最近では200万円未満で買えるものは見つからないほど値段が上がっている

 もともとランサーエボリューションの人気は国内外問わず高かった。とりわけ、4G63ユニットを搭載した最後の世代となるCT系(VII~IX)はその圧倒的な性能から生産終了時点から価格が高騰していたが、それに比べればCP系の値上がり具合はやや緩やかな印象だった。

 しかし、25年ルールの影響が強まっているのか、エボVIやエボVの価格帯も以前より上昇していて、安い(条件がよくない)ものでも200万を下回るものはまずない。

 今年から25年ルールの影響を受けるCP系の最終モデル、トミーマキネンエディションは中古車サイトで見る限り、価格応談とされているものしか見当たらなかった。

 つまり、かなり高額であるということなのだろう。日本のクルマ好きとしては「余計なことしてくれるなよ!!」というのが正直なところだが、第二世代ランサーエボの流通価格はこの先、さらに高騰していくことは間違いないだろう。

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海外流出を避けるには購入し手元に置くしかないが……

エボVIも25年ルールの影響を受けているのか、店頭に並んだ中古車はどれもお高め。距離が少ないものは新車並みの値段を維持しているものも珍しくない
エボVIも25年ルールの影響を受けているのか、店頭に並んだ中古車はどれもお高め。距離が少ないものは新車並みの値段を維持しているものも珍しくない

 流通価格が高くなり過ぎると、買える人も限られてくる。昔憧れていたとか、もう一度乗りたいと思っても、あまりにも高い値段に手が出せない、出したくない、というケースも増えるだろう。

 しかし反面、海外での需要が旺盛となれば、それらの車両は海外へと流れていく。つまり、日本からかつてのスポーツモデルがどんどん消えていくということ。それを止めるには、筆者も含めたクルマ好きがそれらのクルマを買い、手元に置くことしかないが、高すぎる値段がそれを難しくしているのが何とももどかしいところだ。

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