据え切り操舵は避けて、段差には極力乗り上げない
駐車時は、タイヤを痛めつける行為に繋がってしまう操作が起きやすいシーン。まず気を付けたいのが、クルマを動かさずにハンドルを回す「ハンドルの据え切り」です。クルマのタイヤ一輪には、300~500kgもの荷重がかかっています。これだけの荷重がかかっている状態でハンドル操作をして地面にこすりつけることは、タイヤトレッドを削っている行為。タイヤの摩耗を減らすには、交差点やコーナーで、スピードを落とすことも重要です。
また、縁石や段差、キャッツアイなどの突起に乗り上げたりすることも、タイヤやサスペンションへ強烈な衝撃が加わってしまうため避けてほしい行為。特に、昨今増えている低扁平なタイヤは、タイヤのサイドウォールが撓むことで出来る逃げが少ないため、ホイールと突起物との間でタイヤのサイドウォールが潰れ切ってしまい(ピンチカット)、最悪の場合、パンクに至ってしまいます。段差やキャッツアイなどへ乗り上げざるを得ない場合は、突起を極力踏まないよう、車速を落としてタイヤの軌跡を選んで進むようにしましょう。
ほかにも、クルマ止めがある駐車場では、一度クルマ止めにゆっくりとタイヤを当てたあと、少しだけ前進(前進駐車の場合は後退)して、クルマ止めからわずかに離すようにして止めるようにすることで、足回りにかかる余計な負荷を減らすことができます。
燃料タンクは、空に近い状態を維持しないほうがいい
また、燃料タンクを空に近い状態を続けてしまうことも、避けてほしい行為。ガソリン価格が高騰している昨今は、少しでも燃費をよくしたいと、「(車重を軽くするために)給油する際に半分までしか入れない」という人もいるようですが、燃料タンクは、空に近い状態が続いてしまうと、燃料ポンプに負担がかかってしまう可能性があります。
燃料ポンプは、タンク内の燃料によって、冷却され潤滑されています。燃料が少なくなるとポンプが燃料を吸い上げることができなくなって空回りしてしまい、ポンプが痛んでしまうのです。特に坂道などではその状態になりやすいため注意が必要です。
燃費が気になるというのもものすごくわかりますが、燃費に関しては、燃料の重さよりも運転操作の仕方のほうがより影響が大きいですし、ガソリンスタンドの場所によっては、わざわざスタンドに出向く燃料のほうがもったいないという考え方もあります。無駄な荷物を載せないというのは、タイヤにかかる荷重を減らす(=タイヤトレッドにかかる負荷を減らす)という意味でもぜひとも取り入れたいところですが、日常的に使用されるクルマであれば、基本的に満タン給油をしたほうがよいのではないか、と筆者は考えます。
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ワイパーやバッテリー、オイル、タイヤ、サスペンションのゴム部などの消耗部品は、交換すれば元に戻せますが、それ以外の部分、例えばサスペンションアームやエンジン、トランスミッション、燃料配管、駆動系などに不調が起きてしまうと、直すのに大きなお金がかかることもあります。特に、移動時間15分未満のようなチョイノリを繰り返す人は要注意。オイルなどは、定期的に走行することで性能を維持している役割がありますので、たまには長めに運転するようにしてください。
ちょっとやそっと乱暴な扱いをしたくらいではビクともしない昨今のクルマですが、そのダメージは確実にクルマに蓄積されていきます。特に日常的にやってしまうことは、繰り返しダメージを受けることで、何気ない動作であっても、故障の原因になってしまうことも。お得なカーライフは日々のメンテナンスから。ぜひ参考にしていただき、愛車を長く楽しんでください。
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