「結局クルマは白か黒?」そんな疑問に明確な答えが出た。2025年の世界自動車人気色調査では、ホワイト・ブラック・グレーといった無彩色が依然として主流だという。一方で、ブルーを中心に有彩色も存在感を強めている。なぜ今この傾向なのか、その背景を読み解く。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes、Adobestock(トビラ画像=Imaging L@Adobestock)
なぜ白・黒・グレーが選ばれ続けるのか?世界のボディカラー最新事情
2026年4月2日、塗料大手のアクサルタ コーティング システムズが発表した2025年版「世界自動車人気色調査報告書」によれば、クルマのボディカラーは依然として“無彩色優勢”の構図が続いていることが明らかになった。
具体的には、ホワイトが29%で首位を維持。続いてブラックが23%、グレーが22%と、上位3色で全体の約7割以上を占める結果となった。1953年から続く同調査の歴史を踏まえても、この安定した人気は“トレンド”というより“定番”と言っていい。
では、なぜここまで無彩色が強いのか。最大の理由は「リセールバリュー」と「汎用性」だ。白や黒、グレーは車種やボディ形状を選ばず似合ううえ、下取り時の評価も安定しやすい。特に日本や欧州では、長く乗る・売るという視点が強く、保守的な色選びにつながっていると考えられる。
さらに近年は、ボディ形状そのものの造形美を際立たせるデザイン志向も強まっている。無彩色は光と影を際立たせるため、プレスラインや面構成の美しさを引き出すのに適している。つまり「シンプルでありながら高級感が出る」という、現代のクルマづくりと相性がいいのだ。
一方で興味深いのは、有彩色の中ではブルーが6%でトップを維持している点だ。シルバーが7%まで落ち込むなか、ブルーは安定した支持を得ており、「控えめながら個性を出せる色」として選ばれている。
地域ごとに異なる“色の価値観”も見逃せない
今回の調査では、地域ごとの違いも浮き彫りになった。
北米ではホワイトが31%とトップながら、ブルー(10%)やレッド(7%)といった有彩色の比率が高まっている。背景には「個性」や「自己表現」を重視する文化があり、より目立つ色へのシフトが進んでいる。
一方、ヨーロッパではグレーが26%とトップ。ホワイト(25%)、ブラック(22%)と続き、全体的に落ち着いた色味が好まれている。これは都市景観やブランドイメージとの調和を重視する傾向の表れだろう。
そしてアジアでは、ブラックが26%まで増加。高級感や威厳を象徴する色として支持を集めている。ただし同時に、イエロー/ゴールド(4%)、グリーン(3%)、オレンジやパープル(2%)といった個性的な色もじわりと増加。特にEV市場では、ブランドの差別化を狙った“攻めのカラー戦略”が進んでいる点は注目に値する。
今回の調査から見えてくるのは、「無難=正解」という従来の価値観に加え、「個性も欲しい」というニーズの共存だ。無彩色をベースにしながらも、メタリックやパール、特殊塗装などで表現の幅を広げる方向に進んでいる。
クルマ選びにおいてボディカラーは最後の決断ポイントになりがちだが、実はその人の価値観や使い方を色濃く反映する要素でもある。「無難にいくか、少し遊ぶか」。今回のデータは、その悩みにひとつのヒントを与えてくれるはずだ。


コメント
コメントの使い方