ドイツ本国はおろか世界中で人気のフォルクスワーゲン。日本での人気もかなり高い。2024年11月、ワゴンの「パサート」と、SUVの「ティグアン」が揃って日本上陸。伝統の名を継承する二台にまとめて試乗した!!
※本稿は2024年12月のものです
文:西川昇吾/写真:西尾タクト、VW、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
3種のパワーユニットを用意したパサート
9世代目となったパサート。ワゴンのみの展開となり、4.9mを超える全長で伸びやかなスタイリングが印象的だ。荷室長も長く、後席も広々でワゴンファンが満足できる機能性を有する。
最大の特徴はパワーユニット。PHEV、ディーゼル、ガソリンの3つを用意。今回はPHEVに試乗したが、PHEVはコストパフォーマンスの高さが魅力だ。バッテリー容量はPHEVトップクラスの25.7kWhで、EVモードで142kmの走行が可能。
それでいて価格は655万9000~、国産PHEVにも肉薄する価格で、これにさらに補助金が55万円与えられる。実質的な金額はディーゼルよりも安いのは驚かされる。
実際に乗るとEV走行からエンジン始動時の繋がりが、シームレスであることに驚く。DSGであるため、エンジン使用時の変速感も小気味よく、走りもコンフォートもどちらも得意なパワートレーンに仕上がっている。
また、ワインディングではロングホイールベースを感じさせない軽快なフットワークを見せる。乗り心地も角が取れている印象で、PHEVを検討する人は実際にチェックしてほしい仕上がりだ。
●フォルクスワーゲン パサート
・グレード:eHybrid Elegance
・全長×全幅×全高:4915×1850×1500mm
・ホイールベース:2840mm
・車両重量:1830kg
・総排気量:1497cc
・エンジン:直4DOHCターボ+モーター
・最高出力:150ps/5000-6000rpm
・最大トルク:25.5kgm/1500-4000rpm
・モーター出力:85ps/33.6kgm
・総電力量:25.7kWh
・WLTCモード燃費:18.0km/L
・価格:655万9000円
スポーツモードでの走りが楽しめるティグアン
お次は新型ティグアン。最大のメカニズム的な特徴は、減衰の伸び側と縮み側を独立制御するDCC proだ。これはパサートの一部グレードにも設定されるが、ティグアンは全車標準装備となっている。
以前からあるDCCに好印象を持っていただけに期待を持って試乗開始。しかし、コンフォートモードでもやや突き上げ感が気になった。乗り心地としては及第点だが、「おっ、さすが新機構!」と思うような感動的な乗り心地ではない。
ただワインディングでスポーツモードを選ぶと、ロールが少ない楽しいハンドリングを体感できる。1.5Lとは思えないトルクフルなターボエンジンと、ダイレクト感のある7速DSGもあってか、想像以上に走りが楽しい。
パサートのDCC pro装着車はそこまで乗り心地に不満を覚えなかったので、SUVにはまだ合わせこめてないのかもしれない。今後の改良に期待したい。
●フォルクスワーゲン ティグアン
・グレード:eTSI R-Line
・全長×全幅×全高:4545×1840×1655mm
・ホイールベース:2680mm
・車両重量:1610kg
・総排気量:1497cc
・エンジン:直4DOHC+ターボ
・最高出力:150ps/5000-6000rpm
・最大トルク:25.5kgm/1500-4000rpm
・モーター出力:―
・総電力量:―
・WLTCモード燃費:15.6km/L
・価格:588万9000円
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