創業以来の苦境を迎えていると報じられるドイツの名門フォルクスワーゲン。工場の閉鎖や従業員の削減など、苦境を乗り切るための策を講じているが、そんな中で、他社への出資金額を引き上げるという。自社が苦しい時にいったいなぜ?
※本稿は2024年12月のものです
文:角田伸幸/写真:リヴィアン
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
■苦境の中で他社への出資を増額
苦境が伝えられている独フォルクスワーゲン(VW)。ドイツ国内の3工場を閉鎖し、3万人をリストラするという事態は、同社始まって以来の危機だ。
そんなどん底のVWが、他社への出資金額を引き上げると発表した。お相手は北米で電動ピックアップなどを手がけるリヴィアン。
VWは2024年6月、同社と提携を発表し、最大50億ドル(約7750億円)を出資すると発表したのだが、今回その出資を、なんと58億ドル(約9000億円)へ引き上げるという。自分の台所が火の車だというのになぜ?
実はVWは、北米を中心にピックアップ「アマロック」を販売している。これまでアマロックはフォード車がベースだったのだが、やがてこれも電動化せねばならない。
フォードの電動ピックアップ「F150ライトニング」では大きすぎると悩んでいたところに、フォードとも提携関係にあるリヴィアンが浮かび上がったというわけだ。
リヴィアンは車両だけでなく、自動運転でも優れた技術を持つ。数年以内にそんなリヴィアン車が、VWのバッジを付けて売られることになりそうだ。
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