なんだかんだ難しいイメージのあるカーボンニュートラル。でも一回は直接やってみないとわからないもの。ということで、かつてから八丈島で新たな自動車社会を楽しんでいる国沢光宏さんがN-VAN e:を購入して新しい実験に踏み切るらしい。
文/写真:国沢光宏
【画像ギャラリー】N-VAN e:は圧倒的なポテンシャルを秘めている?? 使い方次第で可能性は無限大ってマジかよ(8枚)画像ギャラリー■カーボンニュートラルを実証実験してみる
「カーボンニュートラルのため電気自動車が必要」と主張すると、電気自動車否定派の皆さんは「火力で作った電力でしょ!」と言われる。現状その通りなのだけれど、海外から買ってこなければならない化石燃料と違い、電力であれば自給自足出来ます。
10年スパンで考えたら、電気自動車は文字通り使用時のカーボンユートラルを実現出来ると私は考えている。さて。1kWh分の太陽光発電パネルで、おおよそ年間1000kWhの電力を作れる。N-VAN e:なら7000km走れる計算。
自工会の調査によると軽自動車の年間平均走行距離は5592kmとのこと。充電時のロスを考えても1kW分の太陽光発電パネルを屋根に取り付ければ電力を買わなくて済む。となると気になるのは1kWあたり太陽光発電パネルのサイズになると思う。
流通している製品だと発電効率21%程度。地上に届く太陽光エネルギーは1平方mあたり1kW少々。5平方mあれば余裕で1kWということになります。軽自動車のボディサイズは面積で5.03平方mになる。理論上、1kWの太陽光発電パネルを載せられるワケ。現在開発中のペロブスカイトタイプなら発電効率30%。3m×1mサイズの太陽光発電パネルで済んでしまう。凄いね!
私は八丈島(東京都)でカーボンニュートラルの実証実験をしようと思っている。当然ながらクルマもエネルギーの自給自足をしなければならない。そんな観点から選んだクルマがN-VAN e:なのだった。N-VAN e:のルーフに0.7kWくらいの太陽光発電パネルを載せれば年間700kWh。3000kmくらい走れる計算だ。島の移動手段として使うなら十分だと思う。
■「N-VAN e:」がもたらす新しい電動化生活
もう少し具体的に紹介したい。本来なら太陽光発電はDC(直流)なので、そのまま走行用電池に充電してやると効率良い。10年もすればそうなると思う。現時点では電気自動車に普通充電しようとすればAC(交流)のみ。そこで太陽光パネルで発電した電力は一旦5kWh程度の蓄電池(車内に積む)に貯め、夜間にAC100Vでクルマに充電する方法を使う。
ということでN-VAN e:だ。納車されてから様々なデータ取りをしている。気になる航続距離は、暖房を使わなければ残量警告灯点くまで180km程度をイメージしてもらえば間違いないと思う。軽自動車の場合、皆さん遠くまではいかない傾向。だからこそ普通車より年間平均走行距離も短いのだろう。私の家からだと日常的に一番長い距離になる羽田空港往復で100km。
電気自動車全般に言えることながら、満充電状態にすると回生ブレーキが使えない。発電した電力を貯められないからだ。N-VAN e:でいえば、走行10kmくらいまで回生していない感じ。したがって満充電から走り出すと、しばらく電費7km/kWhくらいというイメージ。回生が始まれば8km/kWh台になる。1日最大で80km程度しか走らないなら、90%充電くらいにしておいた方が電費良いです。
暖房だけれど、近距離だったらエンジン車でも暖まらない。ハイブリッドなんか10分走ったって寒い。N-VAN e:で暖房を使うと5km/kWh台になるけれど、近距離はシートヒーターだけで十分暖かい。むしろ近距離なら暖房よりシートヒーターの方が快適なほど。夏場のエアコンは経験上、そうほど落ちない。10%くらいだろうか。気にしなくていいと思う。
絶対的な使い勝手についていえば「文句なし!」。何より走りが素晴らしい! 発進時からパワフルだし、軽バンだと賑やかになる登り坂だって余裕。予想していたことながら、低重心なのでコーナリング性能がいい。乗用車タイプのエンジン車より安定して曲がれるほど。ブレーキフィールもブレーキバイワイヤと思えないほど自然。クルマとしての完成度は高い。
今後の予定など。まず太陽光発電パネルの選択と取り付け作業を行う。ここにきて薄くて軽いタイプが安くなってきた。700Wで10万円しない感じ。屋根の上に格好良く付けたいところ。ホンダの方で手伝ってくれる人がいたら嬉しいです。仕上がったら、果たして狙い通りのエネルギー自給自足が出来るのか走行データを取ってみたい。楽しみになってきました!
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コメント
コメントの使い方私には無理ですが、クルマを毎日毎日、日当たりの良いところに終日駐車できる人なら、出来なくもないかな。
最低200vを発生できるポータブル蓄電池が必要になると思いますが、まだ種類が少ないと思います
100v充電可能な車なんです。 満充電までは時間かかりますがね。