2024年11月下旬、取材でロサンゼルスを訪れた加藤久美子氏は、LAの市街地でサービスを展開する完全無人タクシー「WAYMO」を利用する機会に恵まれた。一般利用が始まったばかりというナイスタイミングでの体験レポートをお届けする。
※本稿は2024年12月のものです
文:加藤久美子/写真:加藤久美子、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
ロサンゼルスで完全無人タクシーWAYMOを体験!
2024年11月下旬、一般利用が始まったばかりのロサンゼルスで人生初の「完全無人タクシーWAYMO」を使う機会に恵まれた。
2009年にGoogle内で始まったこのプロジェクトは2015年秋に「公道での完全無人運転」を実現。これまで数億kmという公道実験を重ねてきた。2023年の1年だけで1000万km以上を走行して、負傷事故はわずか3件とのことで、有人タクシーの2倍の安全性を誇る。
2024年11月12日からLAの市街地約80平方マイルでサービスが開始されたWAYMOだが、利用は本当に簡単。「WAYMO one」というアプリは日本のタクシーアプリと同様の操作でOK。迎車場所と目的地を設定すれば料金と迎車時刻などが表示される。
LAでは数年前から公道実験を行っているため、迎車や目的地として設定できない場所なども細かく表示されるので安心だ。
アプリで表示された迎車時刻は2~3回更新されたが15分程度で到着した。「あと1分で到着」という表示が出たので外に出ると、ほどなくしてジャガーI-PACEのWAYMOが近づいてきた。
運転席には誰も乗っていない! これが無人タクシーか! 驚きと感動とホントに大丈夫なのか? という複雑な思いが入り混じるなか、WAYMOは指定された場所に停車。
中に乗り込んでセンターディスプレイの「START RIDE」にタッチすると周囲を注意深く確認し、自転車や歩行者を先に行かせてから静かに動き出した。
当たり前だが赤信号では停車し、信号のない横断歩道では歩行者や自転車がいないか? しっかりと確認してゆっくりと進む。WAYMOには前後左右、そして天井にもカメラや各種センサーがセットされており、人間では死角となりやすい部分も完璧に認知している。
20分程度の乗車時間だったが不安を感じることは一度もなく、周囲の交通状況が車内でも表示されるので安心度も高い。家族だけの空間なので遠慮なくおしゃべりしたり写真を撮ったりも楽しめる。目的地に着いて全員が降りるとWAYMOはどこかへ静かに去って行った。
【画像ギャラリー】未来に生きてるなあ……!! 一般利用を開始したLAの完全無人タクシー「ウェイモ」を加藤久美子氏が体験!!(24枚)画像ギャラリー無人タクシーの日本での実現は?
昨今、日本でも自動運転レベル4の無人小型バスが国の認証を得て各地で実証実験や商用運行がスタートしている。
ほとんどは定められたルートを時速10~30kmのゆっくりした速度で走行するもので、WAYMOのように一般タクシーのように使えるものではない。
自治体主体でそれぞれが統一感なく限られた予算で細々と実験をしている印象だ。日の丸タクシーによる実証実験も2020年を最後に止まっている。
違反続発で必要性も感じられない電動キックボードを無免許でOKとすることは短期間で進むのに、ドライバー不足解消のために即刻必須の無人タクシーの認可が下りるまでには、高いハードルをいくつも越えなくてはいけない。
日本でWAYMOのようなサービスが展開されるまでにはあと何年掛かるのだろうか?
【画像ギャラリー】未来に生きてるなあ……!! 一般利用を開始したLAの完全無人タクシー「ウェイモ」を加藤久美子氏が体験!!(24枚)画像ギャラリー



























コメント
コメントの使い方一般のタクシー事業者(現在で喩えるなら、新車のJPNタクシーが問題なく買える程度の財力)が導入出来る様になるのは何年先の事だろう🤔
「普及」はそのレベルで語って欲しい。