ミライースターボの1号車が国沢親方に納車された。中古のミライースにターボと5MTを組み合わせたホットハッチは、想像以上に上質でゴキゲンなモデルだった!!
※本稿は2024年12月のものです
文:国沢光宏/写真:SPK、西尾タクト、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年1月26日号
若い人たちにぜひ乗ってほしい入門車
私ら若い頃、知的レベルの高いクルマ好きは(そうじゃない人はシャコタン系)皆さんラリーに興味を持っていました。こぞって補助灯を付け、ボンネットを黒く塗り、マッドフラップだって必需品。
初級ラリーに出場する人もいれば、単にラリー車のようなドレスアップを楽しむ人もいました。グラベルタイヤを履いたラリー車ならどんな道でも走れたし、それほど高い速度域じゃなくたって“滑り”を堪能できました。
ところが、クルマの値段が高くなり、MT車も激減。手軽にラリーを楽しめるクルマといえば、ヤリスやスイフトスポーツくらい。
もっと手軽なクルマがあればいいと考え、ダイハツやSPKさんにミライースターボを作ってもらい、ラリーチャレンジ豊田に出場することにした。ちなみに全日本ラリーに出場したクルマとは別で、私の所有になる。
このクルマ、ベースは50万円くらいで買える中古のCVT車だ。それに新品でも30万円しないコペンの5速マニュアルミッションを組み合わせ、ターボは後付け。ロールバーとバケットシート、サスペンションを組み込んだ。
車両価格と合わせ、250万円くらいで作れる。ターボが付いて80ps、120Nm(12.2kgm)くらいのスペックを持ち、車重は700kg台前半だから軽い! 改造申請すればナンバー付きで公道を走れます。
乗ると驚きました! 本物のラリー車なのだった。私はルノー・クリオのラリー5というWRCにそのまんま出場できる本物のラリー車を持っているのだけれど、乗り方や乗った感じは、パワーこそ違えど基本的に同じ。
3ペダルのターボ車だから左足ブレーキを使ってターボラグを抑える乗り方だってマスターしなくちゃならない。テクニックがあれば、けっこう頑張れます。
格上のJN6クラス(アクアなど)の真ん中くらいの速さを持つ。もちろん現時点では煮詰まっておらず、改良すべき点も残している。ただポテンシャルとしちゃ高いし、すでに走る楽しさを存分に持っています。
今回出場したラリーチャレンジは、WRCで使った豊田スタジアムや、河川敷の特設コース、フラットなグラベル(砂利道)、曲がりくねった典型的な日本の林道がスペシャルステージだったけれど、すべて楽しめました。
何より低予算でラリーを楽しめる。タイヤはラリーチャレンジに10戦出ようが20戦出ようが1セットでOK。エントリー費は保険を合わせたって5万円少々。
万一クラッシュしても中古部品のバンパーやフェンダーなら1000円くらいで手に入る。ボンネットは5000円といったイメージ。クリオのラリー5なんか軽くぶつけて100万円コースですから。しかもナンバー付きだから通勤や買い物にも使えます。
ヨコハマタイヤのネオバのようなタイヤを履かせるとミニサーキットのスポーツ走行でも充分楽しめる。
いずれにしろ「走る」ことを趣味としているのなら、ぜひこんなクルマを持ってみたらいかがだろう。1000万円のスポーツカーで周囲の目を気にしながらワインディングロードを走るより、ミライースターボで全開アタックのほうがずっとワクワクします。
ミライースを100点とするとミライースターボは何点かと編集から聞かれたので、これからの可能性を考え2000点! と答えておきました。
【画像ギャラリー】モリゾウさんも興味シンシン!? 車重730kg、80ps&5MTのスーパースペックを誇るミライースターボ親方スペシャル(20枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方若者にとっても車好きにとっても明るい話題で、とてもワクワクして読ませて頂きました。
既に80馬力のセブンが市販されていますし、メーカーでコンプリート状態で販売という形がベストですが、
後付け換装でも比較すれば半分近い低価格で可能そうなのは良いですね
車両価格+二百? オテガルと言える価格では無いと思うケド? せめて百で収まるなら ンじゃ改造してみッか と云うのも出てくるよーな気もするが