年々夏場の暑さが際立つ日本列島。暑い夏と同じくらい寒い冬にも備えなければならない。最近の日本は、四季というよりも夏と冬の二季に近い気候だ。寒い冬や雪の多い冬も、これからは十分に想定しておかなければならないだろう。こうした気候で役に立つのが、寒冷地仕様。その効果や価値を、今一度確認しておきたい。
文/佐々木 亘:写真/ベストカーWeb編集部・スズキ
【画像ギャラリー】寒冷地仕様だったら心配無用!! 雪上だってガンガン走っちゃうんだから!!(9枚)画像ギャラリー一度付けたらその魅力にハマるはず
雪国仕様というイメージが強く、現在も北海道地区で販売されるクルマには全車標準装備となるクルマが多いのが寒冷地仕様の特徴だ。納車後の後付けができない「メーカーオプション」だからこそ、車両購入時に迷ったら付けることを実践してほしい。
雪も降らないし、冬が寒い地域ではないからと関東以南のユーザーは選ばない人も多いと思うが、寒冷地仕様で付帯される装備の数々は、雪国以外でも結構便利に使えるものが多いのだ。
標準装備にしてほしい!寒冷地仕様で付いてくる装備たち
寒冷地仕様で追加される装備はコレとは言い切れない。メーカーは車種ごとに寒冷地仕様で必要な装備を厳選しているので、クルマによって装備が異なるのだ。
営業マンはもちろん知っているし、メーカーホームページの車種Q&Aなどにも装着される装備が載っているので、カタログチェックと一緒に、各自で確認してほしい。
基本装備としては、冷却水(高濃度LLC)の使用(通常LLC30%なら、寒冷地仕様では50%へ引き上げ)、バッテリー容量の増加(主にHEVで多い51Ahから60Ahへ変更)が挙げられる。また、凍結によるドアの開閉ができないことを予防するため、ウェザーストリップの部品追加や形状変更も多い。
フロントシールドデアイサーやドアミラーヒーターは、標準車には無い電熱線の追加。ワイパーモーターは強力になって重い雪でも持ち上げる。
結露や結氷を予防するため、フロントドアガラスには撥水機能が付くことも。泥汚れなども付きにくくなり、良好な視界を確保できる装備だ。ドアミラーヒーターと撥水ドアガラスは、冬に限定されず、年中便利に使うことができる装備である。
流行りのミニバンでは寒冷地仕様がイイ!暖房機能が各段にUPだ
ミニバンは特に寒冷地仕様との相性がいいカテゴリーだ。
例えばトヨタのノアで装備を具体的に見ていくと、前述の基本装備に加えて、寒冷地仕様を選択するだけで、リアクーラーがリアオートエアコンに変わる。ミニバンは車内が広く、暖房がしっかり行きわたるまで時間がかかるが、リアの空調にもヒーターが入れば、冬場の快適性は各段に上がるだろう。
また、冬場に車内で使う暖房の熱源は、基本的にエンジン冷却水だ。通常エンジンが温まるまでは暖房も効かないのだが、寒冷地仕様になると電気式補助ヒーターが付く。即熱性の高い電気式ヒーターは、エンジン冷却水温度が低い場合の室内暖房に、大きく貢献する装備だ。
さらに内外気切り替えが2層制御となるのも魅力。室内上層が外気導入、室内下層が内気循環となり、内気循環時に近い暖房効率を維持しながら、ガラスの曇りを低減してくれる。
そして3列目シートの運転席側側面にも、エアコン吹き出し口が付き、3列目でも快適な室内環境を作り出すことができるのである。
このように、暖房の効きにくいミニバンと寒冷地仕様の相性はイイ。雪は無くとも寒さの厳しい冬が来るのは、日本列島ほとんど同じだ。これからは、雪対策というよりも寒さ対策で寒冷地仕様を選ぶメリットがある。
選択するユーザーが増えていけば、寒冷地仕様の装備はさらに良くなり、全国で標準装備という日が来るかもしれない。
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