なぜ日本で[アストロ]が流行ったのか!?　カスタム[界隈]を騒がせた理由はいったい？

　1990年代から2000年代前半にかけて、街中で見かけない日はなかったアメ車がいた。名前はアストロ。改めてなぜ、多くの人がアストロに対して夢中になっていたのだろうか。その理由は雑誌の特集だった!!

文：小鮒康一／写真：ベストカーWeb編集部

雑誌が火付け役となって一躍人気モノに

　1990年初頭に急に日本で人気となったアメ車がシボレー アストロだ。当時を知る人であれば、カスタム系の雑誌などでアストロを見ない日はないといっても過言ではないレベルで、アメ車専門店ではなくアストロ専門店が存在する人気ぶりだったのだ。

　ジャンル的にはミニバンに含まれるアストロだが、そのボディサイズは全幅が2メートルに迫るアメリカンサイズで、エンジンも4Lを超える大排気量にもかかわらず、なぜそこまでの人気となったのだろうか。

　1983年に登場したダッジ キャラバンが火付け役となったアメリカのミニバンブーム。そのキャラバンに対抗するモデルとして、シボレーが1985年に投入したのがアストロだった。

　日本ではまだミニバンという存在が一般的ではなく、ハイエースやキャラバン（こちらは日産）のように商用ワンボックスをベースとしたワゴンが主流となっていた時代だった。

　その一方で1990年代初頭にアメ車系雑誌がアストロを紹介すると、瞬く間にブームになって並行輸入で多くのアストロが日本にやってくることになったのである。

記事リンク

前の記事

超名門アメリカンスポーツの伝統の継承…… 7代目コルベットの進化は歴史において最大級の事件【ベストカーアーカイブス2013】

次の記事

時速100kmまで[わずか2.9秒]の鬼加速!!　避けられない電動化に対し[スーパーカー]って可能性あるの

広い室内空間にユーザーはメロメロ!!

　これはこだわりのあるクルマ好き、アメ車好きはもちろんのこと、乗用車感覚で運転できるにもかかわらず、広い室内空間を持っているという点も人気となった理由のひとつだった。

　そのため、当時はアメリカでクルーザーのような豪華な内装を架装し、ハイルーフ化などがなされたコンバージョンモデルが多く輸入されており、一部インポーターはそのコンバージョンモデルを正規輸入するほどのフィーバーぶりとなっていたのだ。

　そしてもちろんカスタマイズを好むユーザーにもアストロは人気となり、エアロパーツを含む多くのドレスアップパーツや、大径のメッキホイールなどがリリースされ、当時の広告に掲載されていた車両はほぼ100%何かしらのドレスアップパーツが装着されていると言っても過言ではレベルだったのである。

　そんなアストロも気づけば登場から20～30年が経過して立派なネオクラシックモデルとなり、現在では古き良き90年代のアメ車を感じられる実用モデルとして再び注目を集めるようになりつつある。

　当時のドレスアップスタイルではなく、フルノーマルに近いオリジナルなスタイルを求めるユーザーが増えてきているようだ。

記事リンク

前の記事

超名門アメリカンスポーツの伝統の継承…… 7代目コルベットの進化は歴史において最大級の事件【ベストカーアーカイブス2013】

次の記事

時速100kmまで[わずか2.9秒]の鬼加速!!　避けられない電動化に対し[スーパーカー]って可能性あるの