もし中国で普及されてる電池交換式のEVを日本に導入したら……

もし中国で普及されてる電池交換式のEVを日本に導入したら……

 電気自動車普及への課題といえば、充電時間の長さや、充電を繰り返すことによる電池寿命などだろう。そのあたりを一挙に解決するのが、中国では一般的となりつつある「電池交換式電気自動車」だ。日本での導入は考えられるだろうか!?

※本稿は2025年2月のものです
文:国沢光宏/写真:NIO、ホンダ
初出:『ベストカー』2025年3月26日号

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電気自動車の大きな課題を解決!

中国のNIOという自動車メーカーでは、中国を中心に2400カ所の電池交換ステーションを稼働させている

 電気自動車で最も大きな課題になっているのが充電時間だ。エンジン車であれば50L程度の給油なら3分程度。100Lの貨物車も5分あれば満タンになり、そのまま500km以上走れてしまう。

 電気自動車の場合、電池搭載量を多くすれば航続距離を伸ばせるものの、充電に掛かる時間まで長くなる。しかも電池は重くて大きいため、絶対的な搭載可能量だって限界あります。

 「だったら電池を脱着式にすればいいでしょ!」と誰もが考えるんじゃなかろうか。

 これを実行しているのは中国のNIOという自動車メーカーだ。すでに中国を中心とし、2400カ所の電池交換ステーションを稼働させている。

 ちなみに中国は集合住宅に住んでいながら電気自動車を購入する人が多い。我が国も充電インフラのない集合住宅を考えた電池交換システムを考えたらいい。

 ちなみにNIOの電池交換ステーションは2020年あたりから実用化しており、毎年のようにバージョンアップ。当初は3分程度掛かっていた電池交換時間も、現在稼働を開始している第4世代になって144秒まで短縮されている。2分24秒はガソリンを50L入れる時間より短い。

 いや、トータルタイムを考えたらガソリン給油の半分以下と考えていいだろう。

 なぜか?

 NIOの最新モデルは高価なLidar(ライダー。圧倒的に高い精度を持つ走査型レーザーセンサー)を6つも装備。エヌビディアのCPUを4つ使う。

 電池の交換は、交換ステーションの入り口でボタン押せば自動走行して正確な位置に停止。そこからフルオート144秒で満充電した電池に交換される。もちろん支払いまでオート。ボタン押して144秒ですべての工程が終わってしまう。

 NIOの電池は金額に応じていくつかのタイプがあり、最も高い契約なら満充電で600km以上走れる電池を使える。オーナーは電池使用量+電力使用量を負担するのだけれど、総合的なエネルギーコストでガソリンを下回るそうな。

 電池寿命など考えなくいいので、気分的な負担だって少ない。これは日本にも向いている?

 残念ながら我が国は乗用車用の電池交換システムを認可することは考えていないようだ。

 表向きの理由は「安全が担保できない」なのだけれど、石油利権の皆さんからすれば「ガソリン離れが進む」ということなんだと思う。

 ただ商用車に関しては電池交換式システムを実証試験レベルながら始めている。集合住宅の多い我が国は、もっともっと積極的に取り組んでいくべきだと私は考えます。

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