欧米のみならず、中国や韓国などの自動車メーカーが積極的にEVを投入している。それらは次々と日本に登場してきているが、これら輸入電動小型車は我々の「愛車」としてオススメできるものなのだろうか?
※本稿は2025年2月のものです
文:片岡英明/写真:奥隅圭之、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年3月26日号
※おススメ度は価格も含めた総合評価。★★★★★が最高点
各国のコンパクトBEVが続々日本上陸中!
大容量の駆動用バッテリーを搭載し、モーターだけで走るBEV。2024年は逆風にさらされたが、外部充電機能を備えるPHEVが販売を伸ばしたこともあり、EV全体では踏ん張りを見せた。
BEVの販売を支えているのが輸入車である。登録車BEVに占める輸入車の割合は毎年増え続け、2024年はついに70%を超えた。けん引しているのはテスラだが、ヨーロッパ勢やアジア勢もニューモデルを積極的に送り出したから選択肢は大きく増えている。
買いやすい価格帯の輸入BEVの多くは、日本の道路事情に合ったコンパクトサイズのBEVだ。そこで「全長」をクラス区分として最新のBEVの魅力と弱点に迫ってみた。最小は、ホンダeが属していた全長4m以下のクラスだ。上限は全長4.5mとする。
全長4m以下クラス
全長4m以下の代表のフィアット 500eとMINI クーパーEは、どちらもデザインコンシャスなコンパクトBEVだ。一充電走行距離は300kmちょっとだから長距離ドライブには向かない。
モーターは瞬時にパワーとトルクが立ち上がる。アクセルを踏み込んだ直後から気持ちよくスピードを乗せていく。特にクーパーEは俊足だし、制御などのマネージメントも上手だ。
しかも両車は滑らかで軽やかなだけでなく静粛性も高い。MINIはBEVでもキレのいいゴーカートフィールが健在で、軽やかな身のこなしを披露する。500eも上質な乗り味だ。
ただし、3ドアモデルだから後席は狭く、2+2感覚での使い方になる。また、バッテリー容量も大きくないから長距離ドライブは苦手だ。が、近距離移動なら楽しい走りを満喫できる。
2025年の注目は、韓国のヒョンデが間もなく日本で発売するインスターだ。フィアット500eと同じ5ナンバーのコンパクトBEVで、ボトムグレードの「カジュアル」は税込み価格が284万9000円という買いやすい価格で登場する。
JAIAの試乗会では展示だけだったが、走りの実力は高そうだ。装備も充実しているから2025年の台風の目になるだろう。
●全長4m以下クラス今後の注目車:ヒョンデ インスター
全長4m超~4.3mクラス
この上が全長4.3mまでのクラスで、多くの国のメーカーが主力モデルを投入するなど、力の入れ方はハンパじゃない。その証拠に、機械式の立体駐車場に入庫できる高さのBEVが増えてきた。
また、後席用ドアもあり、多人数でもラクに乗り降りが可能だ。バッテリーの搭載量も多いから、長距離ドライブでも不安は少ないだろう。
MINIとフィアットは都市型クロスオーバーBEV感覚のBEVを日本市場に投入した。どちらも伝統のブランドをオマージュしているが、ファミリー派も楽しく使いこなせるBEVに仕立てている。乗車定員が5名なのも魅力的だ。
どちらも運転して楽しいシャキッとした走り味だから、リラックスした気分で長距離ドライブを楽しめる。
BEVを積極的に送り出しているステランティスのフランス代表がプジョーe-208。ラテン系らしいスポーティなハンドリングに加え、ちょっとペースを上げると乗り心地もしなやかさを増す。
ジープ初のBEVであるアべンジャーも楽しい一台だ。FF車だが、6つの走行モードを備え、悪路でもタフな走りを見せる。気になるバッテリーも不満のない容量だし、航続距離だって長い。
電動化戦略に積極的なボルボも日本に最適なBEVを送り出してきている。EX30は専用プラットフォームを採用した世界戦略車だ。ライバルと比べても一級のパフォーマンスを示し、リア駆動の運転感覚も魅力的。
EV大国となった中国代表はBYDのドルフィン。FF車2グレードを揃え、その違いはパワー感と航続距離だ。実用性能は日欧勢と遜色なく、コスパの高さも群を抜く。一度、試乗して実力を確かめてほしい。











































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