2025年4月3日に、いよいよ発売開始となったスズキの新型「ジムニーノマド」。人気のジムニーシリーズに、待望の5ドア&ロングボディが誕生したことで注文が殺到、発売開始たった4日で、販売計画台数を大きく超える約5万台の注文があったとして、受注が停止となってしまった。これほどバックオーダーを抱えている状況を考えると、注文が再開されたとしても、納期は2、3年先になる可能性もある。
そうなると、ねらい目となるのが3ドアの「ジムニーシエラ」だ。「5ドアが出たのに3ドアのシエラなんて」と思うかもしれないが、スズキのとあるディーラーによると、ノマド発表前にシエラに注文を入れていた人のうち、ノマドへと注文を切り替えた人は、たった3割だったという。彼らがノマドではなくシエラを選んだ理由とは!??
文:吉川賢一/写真:SUZUKI
【画像ギャラリー】スズキ「ジムニーシエラ」と新型「ジムニーノマド」(22枚)画像ギャラリー使い勝手は明らかにノマドのほうがいいのに…
スズキ「ジムニーノマド」が正式発表されたのは2025年1月30日のこと。ただ、正月明けあたりから、5ドア版ジムニーが発売されるという情報はSNSに流れていた。スズキのディーラーが、ジムニーシエラを発注済みで納車待ちをしている人に、5ドア版に注文を切り替えるか否かの確認を取っていたからだ。
当時、ジムニーシエラの納期は1年半~2年ほど。5ドア版の登場を知らずに発注をした顧客への配慮だろうが、とあるスズキディーラーでは、この連絡によって、シエラからノマドへと注文を変更したのは約3割だったという(お話を伺った店舗での状況であり、シエラの納車待ち全体での割合ではない)。ノマド納車待ちの最前列に並ぶことができるにもかかわらず、約7割は3ドアのシエラを選んだということだ。使い勝手の面では明らかにノマドのほうがよいはずだが、なぜ彼らはシエラを選んだのだろうか。
小型オフローダーとしてはシエラの圧勝
ノマドとシエラとの大きな違いは、ノマドには後席ドアが装備されていることと、ノマドがシエラよりも全長とホイールベースが430mmほど大きいことだ。これにより、室内長はシエラの1,795mmに対してノマドは1,910mmと、115mmほど長くなった。また後席への乗降性を確保するためにBピラーを前方へ移動し、フロントドア長も短縮。後席シートにはしっかりとしたボリュームのシートを用意し、後席乗員のヒップポジションを50mmほど後退かつ20mm上昇させることで、膝の角度を緩和し、快適性を向上させている。乗車定員4名は変わらないが、ノマドは普通に使える後席を手に入れているのだ。
ただ、サイズアップしたことで、ノマド(1180kg)はシエラ(1080kg)よりも車重が100kgほど増え、これによって燃費は4AT車だと14.3km/Lから13.6km/Lへと5%ほど悪化、5MT車だと15.4km/Lから14.9km/Lへと、4%ほど悪化している。ランプブレークオーバーアングル(乗り越えた障害物がアンダーボディに接触せずに超えられる角度)も28度から25度へと後退している。
一番影響を受けたのが最小回転半径で、4.9mから5.7mへと大きく悪化しており、これは街乗りユーザーとしても見過ごすことができない数値。実際に悪路を走行するか否かは別として、小型オフローダーとしての使い勝手のよさは、シエラの圧勝なのだ。
コメント
コメントの使い方日常生活・街乗り・ファミリーには便利なノマド1択だと思います。
ただ、シエラ納期待ちでノマドに切り替えてあと何年も待てない人が多いのでは?。
逆にシエラなら一気に納期が短くなるのでお買い得。
長く待てない人・二人乗りと割り切れる人ならシエラでいいかな。