現在のメーターは液晶化が進み、アナログ表示からデジタル表示まで、なんでもござれになっている。一方で時計の針を30年ほど巻き戻すと、デジタル表示が珍しく、一種のステータスになっていた時もある。そこで、デジタルメーターの多かったトヨタのクルマから、カッコいいデジタルメーターを備えた車種を紹介していく。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】完成形とも言われた「オーパのデジタルメーター」がこれです!!!!(16枚)画像ギャラリーデジタルメーターといえば始祖は外せない
デジタルメーター(通称デジパネ)をこの世界に普及させたクルマと言えば、やはりソアラだ。歴代ソアラには、多種多様なデジタルメーターが搭載されているが、2代目ソアラ(Z20型)に搭載されていた、スペースビジョンメーターが、近未来感があってカッコよかった。
大きな特徴は、デジタルメーターが虚像表示になっていること。横に広く浮かび上がるように見えた特徴的なメーターは、高級車の証でもある。特に浮いて見えたのがハザードの表示だ。
また、デジタルメーターのカッコよさは外から見たときに、メーターフードの中が青白く光っている点にもある。ちょうど運転席に乗り込む角度(右斜め後ろ)から車内を見ると、針式のメーターとは大きく違う、未来のクルマという感じが強かった。
夜のデジタルメーターは、最もカッコいい瞬間の一つ。デジタルメーターを見るために、近所の子供が集まってくるという現象も、当時は起きている。
扇形のタコメーターが素敵なヤツ
2台目は1986年から1990年まで活躍していた、2代目カムリだ。同時期に活躍していたマークIIもデジタルメーターなのだが、両者では表示の仕方が結構違う。
マークIIは速度表示が上、バー式のタコメーターが下にあり、燃料計から水温計あまでが、タコメーターと一直線上に並ぶ。これはこれで統一感があって美しいのだが、シンプルすぎて少し物足りない。
2代目カムリに搭載されたエレクトロニック・ディスプレイメーターは、速度表示がメーター中央にあり、その数字も少し立体的な表示になっている。また、燃料計からタコメーター、そして水温計までが、速度表示を囲むように扇形に配列されているのだ。燃料計と水温計が平行四辺形になっていて、オシャレ度が高い。
カムリが新しい高級サルーンとして売り出されたからこそ、少し遊び心のあるディスプレイメーターになっているのだろう。
デジタルメーターの完成形がコレ
最後に紹介するのは、ソアラやカムリの時代からは少し後、今から約四半世紀前に登場したオーパである。
クルマとしてはパッとしない販売実績だったが、デジタルメーターの完成形とも言うべきデザインをしているのだ。特に美しいのが、2002年モデル以降。マイナーチェンジを受けて、メーターデザインが少し変わったのだが、これがイイ。
このころになると、エレクトロニック〇〇といった呼び方ではなく、単にデジタルメーターという呼び方になる。オーパの場合は、メーターがインパネ中央上部にあったため、デジタルセンターメーターと呼ばれていた。
左から、警告灯・燃料計と並び、タコメーターは右斜め上に曲線を描いて上昇していくタイプになっている。その右に大きな数字で速度表示があり、さらに右にはシフトインジケーターが並んで、その下に外気温計があるのだ。
デザイン的にすっきりしているし、カッコよさもある。シフトインジケーターは「P・R・N・D」の4つだけが表示され、セカンドとローに入れると、Dの文字が2・Lと変わっていくのも良かった。
デジタルメーターとしては、このオーパでいったん完成を迎え、以降は液晶を使った多様性のあるメーター表示が主流となっていく。現在では全面液晶が当たり前になってきて、技術の進歩を感じるのだが、従来のデジタルや針式が恋しくなる時もあるだろう。
メーターは時代を映す鏡のようだ。あなたは、どの時代のどのクルマのメーターがお好みだっただろうか。



















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