4月5日午後8時、首都高都心環状線の八重洲線と東京高速株式会社線(通称会社線/KK線)が閉鎖された。その歴史的瞬間を目撃してきたのでレポートしよう!
文と写真:ベストカーWeb編集部
66年の歴史を持つ東京高速道路線が廃止
首都圏の重要な動脈である首都高速。これを使って都心を縦断(神田橋~汐留間)するには2つのルートがあった。一つは都心環状線をなぞるルート、もうひとつが八重洲線と会社線を使うルートだ。
ただし今となっては、後者はもう使えない。2025年4月5日午後8時、この区間が閉鎖されたためだ。理由は都心環状線の大規模リニューアル。
今後だが、八重洲線は10年かけて新京橋連結路というトンネルを掘り、都心環状線の新ルートとして2035年に復活する。
いっぽうの会社線はこのまま廃止となる。わずか2kmという短い路線だが、ここは首都高速とは別の事業体である「東京高速株式会社」が運営してきた。高架下に作る商業施設の賃料で道路運用費を賄うため通行料はタダ。部分開業は1959年だから、1962年に開業した首都高速開業より古い歴史を持つ。
【画像ギャラリー】泣けちゃうかも! 会社線閉鎖完了の瞬間を見て!(10枚)画像ギャラリー当日の現場は意外にも平穏
4月5日午後6時過ぎ。神田橋ジャンクションから八重洲線を通って会社線の汐留料金所までを走ってみた。当日の日中、都心環状線は結構な渋滞だったが、夕方になると外回りの流れはよくなり、クルマはさくさく流れている。
神田橋ジャンクションからジェットコースターのように坂を下って地下の八重洲線に入るが、「走り納め」といった混雑はない。東京駅の横を走り抜け、S字の坂を上って会社線へ接続、土橋の直角カーブに警察車両が待機している以外はいつもの風景で、あっというまに汐留に到着した。薄暮の銀座の街並みはキレイだったが、ちょっと拍子抜け。そのまま辰巳PAまで走って休憩をとる。
今日の閉鎖の手順だが、午後8時から、都心環状線との接続や会社線上にある入り口を順番に閉じていくという。会社線と八重洲線の接続点にある西銀座料金所が最後の閉鎖場所。汐留側から会社線に入ると、八重洲線に接続して地下に潜る手前にある料金所だ。
【画像ギャラリー】泣けちゃうかも! 会社線閉鎖完了の瞬間を見て!(10枚)画像ギャラリードライバーだけじゃなく普通の人も惜別
午後8時が来た。西銀座料金所の「ふもと」、銀座桜通りに面する西銀座入口に行ってみた。近づいていくと入口周辺がごった返している。係員が入口を塞ぐ柵を立てているところで、多くの人がそれをスマホで撮影しているのだ。
通りがかりの人が「これは何をしているんですか?」と見物人に尋ねている。「今日でこの道路、終わりなんですよ」という声を聞いて初めて、「ああ今日はやっぱり特別な日だったんだ」と感じた。ドライバーだけじゃなく街を歩く人たちも、ひっそり閉鎖を惜しんでいたのだ。
午後9時。首都高速の計らいで、会社線の西銀座料金所(実際には通過するだけ)が間近に見える退避エリアに入れてもらった。
すでに約束の時間を1時間も過ぎているが、まだ全線閉鎖にはなっていない。八重洲線からはぽつりぽつりとクルマが上がってくる。2度見かけたフェラーリ・ローマは、たぶん走り納めだろう。青いGDインプレッサがエキゾーストを響かせ加速していく。車内で動画を撮っているのが見える。
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