スーパースポーツでありながら優れた乗り心地
ボディの剛性感もあってサスペンションは硬め。しかしながら不快な突き上げ感は許容範囲で、スーパースポーツカーとしては快適な乗り心地。
電子制御サスペンションにより、ソフトとハードのモードを選択できる。首都高ではソフトモードが適しており、路面の継ぎ目をスムーズにいなしてくれる。旋回時にもサスペンションが凹凸を吸収し、安定した姿勢を保つ。
ハンドリングはクイックで、ミリ単位の操作に即座に反応するため、ラフな運転をする人は少し戸惑うかもしれない。しかし、高速域では優れた空力性能を発揮し、ステアリングの修正操作がほぼ必要ない。
旋回性能も抜群で、ブリヂストンが製造した専用タイヤのグリップ力が破綻する気配はなく、狙ったラインを忠実にトレースできる。
1000馬力超の加速と新トランスミッション
レヴエルト最大の特徴は、システム出力1000馬力超の圧倒的な加速だ。これまでにもレヴエルトと同等の市販車を運転した経験があるが、そのほとんどで命の危機を感じた。
しかし、レヴエルトではタイヤがしっかり路面を捉えている感覚があり、不安なくフル加速できる。これは、ランボルギーニが長年、スーパースポーツを開発してきた成果だろう。
トランスミッションは8速DCTに刷新され、ATモードではスムーズな変速を実現。パドルシフト操作時のレスポンスも向上し、アヴェンタドールのトランスミッションよりさらに進化を遂げている。
シフトダウン時には、左側のパドルを引き続けることで最適なシフトダウンを披露してくれる。この機能は便利で、サーキット走行時においてはいいアシストになるだろう。
最先端のブレーキと運転支援技術
公道と首都高でのブレーキ性能に不安は皆無。ペダルを踏めばダイレクトに制動が始まり、10ピストンのフロントキャリパーと4ピストンのリアキャリパーの組み合わせが強力なストッピングパワーを発揮する。
サーキットでのバランスが気になるところだが、メーカーから制動距離の公式データは非公開だった。おそらく、車両重量を考慮して意図的に伏せられているのかもしれない。
また、今回の試乗で特に便利だと感じたのは、車線変更警告システム(LCW)。レヴエルトは死角が多いため、首都高でのレーンチェンジは神経を使うが、後方の車両を検知し、警告を出してくれる。ランボルギーニもついに最先端の運転支援システムを採用した。
ランボルギーニの未来を示す一台
試乗時の燃費は4km/L。それでも、ランボルギーニに乗るなら燃費を気にするのは野暮だろう。かつてトラクターを製造していた創業者フェルッチオ・ランボルギーニの理念は、レヴエルトにもしっかりと受け継がれたようだ。
L545型 エンジン解説
ランボルギーニが最新モデルにも12気筒エンジンを採用してきたことに好感。先代モデル「アヴェンタドール」に搭載された12気筒エンジンよりも17kg軽量で、エンジン単体の重量は218kg。排気量は何と6.5L。
エンジン単体の最高出力は836.4ps/9250rpm、725Nmを発生させる。9250rpmで最高出力が発生する超高回転型で、ハイブリッドでもエキゾースト音は聴く者を魅了する。3つのモーターを駆使すると1029ps、最大トルク73.9kgm/6750rpmを発揮。
8速DCTとの組み合わせたパワートレーンの瞬発力は驚異的。最高速度は350km/h以上だが、1000ps以上あっても400km/hの大台に乗らないのは車両重量と前面投影面積の問題かもしれない。
●Lamborghini Revuelto 主要諸元
・全長×全幅×全高:4947×2033×1160mm
・ホイールベース:2779mm
・車両重量:1772kg(乾燥重量)※1980kg(日本仕様)
・エンジン形式:V型12気筒 DOHC 48バルブ+モーター3基
・総排気量:6498.5cc
・エンジン単体最高出力:825hp(836.4ps)/9250rpm
・システム最高出力:1015hp(1029ps)/9250rpm
・最大トルク:725Nm(73.9kgm)/6750rpm
・ミッション:8速DCT
・駆動方式:4WD
・サスペンション:F/R)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:フロント10ポット/リア4ポット
・タイヤサイズ:F)265/35ZR20 R)345/30ZR21
・0-100m加速:2.5秒
・公表最高速度:350km/h以上






























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