BEVの話題となると、何かと充電問題にスポットが当てられることが多い。充電問題そのものは別として、実際に充電スポット検索で急速充電スタンドを探すと、日産ディーラーがヒットすることが多い。しかも実際に前を通りかかると日産車以外も充電している印象だ。この理由はなぜなのだろうか?
文:西川 昇吾/画像:日産自動車
世界初のBEV量産車メーカーとして
実質的に、日本市場でBEVをいち早く導入したのは日産であった。2010年に登場したリーフは日産初の量産型EVであったが、それは同時に世界初の量産型BEVでもあった。これまでと異なるパワーユニットとなるリーフは、当然パワーソース(エネルギー源)もこれまでの石油由来のものとは異なる電気である。
そのため、日産はこの新しいパワーソースを必要とする乗り物を普及させるために、リーフそのものの販売はもちろんであるが、充電インフラの整備にも力を入れてきた。
2010年、国内には200基ほどしかCHAdeMO規格の急速充電器は存在していなかったが、2020年時点では7900基までに拡大している。これは日産が政府や自治体、電力会社と共にBEVの普及促進に取り組んで、インフラ整備に力を入れてきたからだろう。
そんな背景から急速充電器を検索すると日産ディーラーがヒットすることが多い。しかし、政府や自治体などとも連携してきたことを考えると、一般的なSAや道の駅に現在多く急速充電器があるのも、日産が与えた恩恵かもしれない。
日産BEVオーナーに満足度が高いカーライフを
多くの日産ディーラーに急速充電器が設置してあるのは、日産のBEVオーナーに、BEVという新しい乗り物を満足度高く利用してもらうためだそうだ。この目標のために、各販売会社にも協力を依頼して運営している状況とのこと。
これは世界初のBEV量産車メーカーとしてはもちろん、日本市場において最もBEVの保有台数が多いメーカーとしての責務だと日産が感じている面があるはずだ。
また、日産の急速充電器で嬉しいのが24時間充電可能なスポットが多いことだ。これはディーラーの休業日でも充電可能となっている部分が多く、まさに24時間365日と言った印象である。実際に筆者も年末年始にBEVを借りていた時に、日産のディーラーさんはとても助かった印象であった。
日産ディーラーに限らず、日本国内の急速充電網の普及に取り組んできた日産。今後自動車のパワーユニットのメインストリームがどうなるかは、まだまだ分からない分野であるが、急速充電やBEVの充電網という点に関して言えば、パイオニアである日産が新しい話題を生んでくれるかもしれない。
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