【クルマを長期間動かさないとどうなる?】「せめてエンジンだけでもかけろ」は大間違い!

最も起きやすいトラブルはバッテリー上がり

バッテリーの寿命は一般的に3年以上といわれているが、たまに乗らなかったり、長期間乗らないと寿命が短くなりやすく、交換時期が早まる可能性にある
バッテリーの寿命は一般的に3年以上といわれているが、たまに乗らなかったり、長期間乗らないと寿命が短くなりやすく、交換時期が早まる可能性にある

 さて、長期間、乗らずに置いておいたことでもっとも起きやすいトラブルに「バッテリー上がり」があげられる。これが起きる主な要因は「自己放電」と呼ばれる現象にある。

 これはバッテリーに溜め込まれている電気の量が自然に目減りしていく現象で、放置期間が長くなるほど放電量は多くなる。

 そして、バッテリケースの上面が湿ったホコリで覆われているとその傾向が強まる。+電極と-電極の間に微量な電気が流れ、電気を消費している状態になってしまうからで、常にきれいにしておくことが大切だ。

 また、補機用の鉛バッテリーはバッテリー液(電解液/希硫酸)を注入した時点から劣化が始まり、実質的な容量(電気を溜めておくことができる量)が徐々に減っていく。このため、バッテリーの使用年数が経過するほどにバッテリー上がりを起こしやすくなる。

 しかも、セルモーターの回転時バッテリーから大量の電気を放出される。瞬間的に100A以上もの大電流が流れるのだが、バッテリーが劣化してくると内部抵抗が増加して電気が流れにくくなるため、そんな大電流を流しにくくもなる。その結果、勢いよくセルを回せる時間は確実に短くなってくるのだ。

 それでもエンジンさえかかってしまえば発電機(オルタネーター)が動作して補充電が開始され、消耗した分を補充しつつ、回転し続けるために必要な電気の供給が行われるため、ある程度の電力は回復する。

 しかし、電子制御やパワーアシストが氾濫している最近のクルマは、ただエンジンを回しておくだけでも電気を食うため、5~10分程度、アイドリングさせたところで消費した電気は補いきれない。

 発電量はエンジン回転数が2000rpm前後に達した時に最大となり、それ以降は安定するよう設定されている。

 クルージング時のエンジン回転は2000rpm前後に落ち着き、これ以下では通常走行時に「供給過剰」に、以上では「供給不足」に陥ってしまうからだ。

「乗らないならせめてエンジンをかけろ」はあまり意味がない

 つまり、アイドリング時の発電力は走行時よりかなり少ないわけで、これも「乗らないなら、せめてエンジンをかけろ」というアドバイスが、あまり意味がない要因の1つに上げられる。

 新車の1回目の車検が3年に延長されて以降、バッテリーの耐久性は向上して3年以上、余裕で使える傾向にはあるが、3年以上使用したバッテリーは確実に性能が低下。

 定期的に走っているならまだしも、乗らずにおいておく期間が長いという利用状況ならバッテリー上がりを起こしやすくなってくるので注意! 

 バッテリー上面に設置されているインジケーターを定期的にチェックして、コンディションを把握しておきたい。

 そして、「要充電」状態だったり、セルの回りが弱々しく感じたなら、ただちに補充電を依頼するべきだ。

 が、そのような状況が頻繁に起こるようなら、動かなくなる前にバッテリーを交換することをおススメする。

【画像ギャラリー】トラブルNO.1のバッテリーの冬対策と点検方法とは?

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