現行モデルであるGR86も含め、様々な限定車や特別仕様車が存在する86シリーズ。その中でもちょっと変わった存在と言えるのが登場から約3年経過した2015年4月に設定された、86“style Cb”だ。オリジナルのデザインを身にまとった他とは違う86を振り返ってみよう。
文:西川 昇吾/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】先代86&GR86 限定車、特別仕様車をプレイバック!(16枚)画像ギャラリーどんなところがベースの86と違うの?
86“style Cb”の最大の特徴と言えるのが専用のエクステリアデザインだ。エッジの効いたノーマルの86とは異なり、上級グレードである「GT」をベースとし、伸びやかで曲線が特徴的なフロントマスク、ノーマルには無かった2トーンカラーの設定など、独創的なデザインが与えられた。
なお、その独創的なスタイリングは全長を70㎜延長して造られたものであった。専用のデザインはクールで都会的ながらクラシカルな印象も持ち合わしている。
インテリアも同じように違った雰囲気を演出していた。専用高級本革巻きステアリングホイールや新意匠のアナログホワイトメーター、黒檀木目調インテリアパネルなどが与えられていて、普通のスポーツカーとは異なる高級感を感じられるインテリアとなっていたのだ。
このような専用装備やデザインから、価格はベースとなったGTと比べると127万5382円高の418万582円(6MT車)/426万3055円(AT車)となっていた。
86“style Cb”が影響を与えた独自のコンセプト
86/GR86の歩みを振り返ると全体的に走りの良さをアピールしているモデルや、スポーティな雰囲気をより演出する限定カラーなど、スポーツカーの王道と言える限定モデルや特別仕様車がほとんどであった。しかし、86“style Cb”はコンセプトが大きく異なっていた。
ターゲットとしたのはファッションセンスを重視するユーザーで、都会的な雰囲気を大切にしてカスタマイズされた。なお、「Cb」はCool beauty(クールな美しさ)を意味している。
オフ会などで見ることは少ないが、後にグリーンリミテッドなどのような、落ち着いた「大人」な色合いの86が登場したり、走り系だけではない上質さを意識したカスタマイズが86に増えたのもこの86“style Cb”の影響が大きいのではないだろうか?
中古車はどうなっているの?
そんな86“style Cb”だが、この原稿を書いている段階では、中古市場で確認できるのは2台となっていて、他の限定車や特別仕様車よりも希少な存在であるのが分かる。正直2台となると、相場的に安いとか高いとかの判断は付きづらい。それぞれ走行距離が5万キロと6000キロで条件が違いすぎるため、一概に言えないのだ。
ただ、中古車市場でもオフ会でも「レア」な1台であることは間違いないだろう。
GR86では今のところこのような変わり種なモデルは登場していないが、86“style Cb”のように走りとは違った遊び心のGR86も見てみたい。
コメント
コメントの使い方これはスバルにこそ設定して欲しかった、当時羨ましさを感じたモデルですね。
フォルムが美しく、デザインも生命的・有機的に感じられるもので、リアランプを社外交換するだけで海外上級クーペに対抗できるほど格上に見える。
ホイールだけじゃなく様々な部品が専用の割に価格は安く、でもツートン塗装だけ超高いという、不思議な設定も記憶に残ってます