スズキの新型コンパクトSUVフロンクス。各メディアでレビューや試乗記が展開されていて、今ホットなモデルであることは間違いない。ただ、インド生産と聞いて「どうせ売れそうなコンパクトSUVだから、海外で売っているのをそのまま持ってきたんでしょ?」と思っている人はいるかもしれない。しかし、そんなことはない。日本仕様に独自に作り込んできた部分が満載なのだ。今回はそんなフロンクスの日本独自のこだわりポイントに注目したい。
文:西川 昇吾/画像:スズキ、ベストカーweb編集部
【画像ギャラリー】フロンクス日本仕様のこだわりポイント(15枚)画像ギャラリー見て分かる日本仕様独自のポイント
まず見てわかる部分から触れていこう。これは世界共通のポイントだが、全高が1550mmとなっている。日本に多い機械式立体駐車場にも対応したサイズなのが日本のユーザーに嬉しいポイントだ。
フロンクスは当初からグローバルモデルとして展開することを考えて開発されたモデルなのだが、このような数値を見ると開発初期の段階から日本で販売することも視野に入れていたのが見て取れる。
そしてインテリアのブラック×ボルドーの配色は日本仕様独自のもの。海外市場でもこの2色の組み合わせとなっているが、日本仕様だけは落ち着いた雰囲気を演出するため、ブラックの比率を増やしている。
また、一部に質感の高い合皮が採用されていて、高級感のあるインテリアとなっているが、シートに合皮を使用しているのは日本仕様だけなのだ。
その他、サイドルーバーをブラックパール塗装にするなど、全体的にブラックの面積を増やしているのも日本仕様独自のポイント。ソフトパッドなども多用されていて、乗った瞬間に安っぽさを感じない室内空間となっている。
日本独自の装備も満載!
そして現行車として充実した装備も日本仕様独自のものだらけだ。スマートフォン連携ナビやシートヒーター、フロントシートヒーターにリアヒーターダクトなどはフロンクスでは日本仕様で新たに追加された。快適性や利便性に関係する装備への需要が高い日本に向けた内容だ。
また運転支援システムに関しても同様だ。ACCや車線維持支援機能などADAS(先進運転支援システム)や電動パーキングブレーキ&ブレーキホールドは日本仕様に標準装備となっている。
便利なポイントとしては、ラゲッジボードも日本仕様独自のポイントで、リアシートを倒したときにフラット形状を実現してくれるように専用開発されている。また、このラゲッジボードは片手で操作できるように軽量化されていて、使い勝手も抜群なのだ。
走りも日本仕様にチューニング
走りの部分も日本仕様独自ポイントに溢れている。K15C型1.5リッター直4エンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせて、6速ATで伝達するというパワートレインのパッケージは、フロンクスでは初だ。また、日本仕様では新たに4WDも設定されている。
海外市場と道路環境が異なるため、日本仕様のフロンクスはオンロードでの乗り心地を重視して、バネやダンパーなども独自のモノを採用。特に段差を通過する時の突き上げ感を抑えるのにこだわっていて、乗り心地は良好な印象だ。
さらにハンドリングにも注力しており、電動パワーステアリングの制御を変更して、ステアリングセンター付近の座りの良さを重視したほか、ホイールの締結穴も4穴から5穴へと増やし、ステアリング剛性を高めている。
実際に乗ってみても、コンパクトSUVとは思えない安定性を実現していて、クラストップレベルの走りの質感を感じられるフィーリングだ。
インド生まれながら、日本仕様として細部まで作り込まれたフロンクス。人気のコンセプトSUV市場で、価格に対して装備と質感がトップクラスで充実しているモデルに仕上がっている。
コメント
コメントの使い方11月末から乗ってるけど、気になるところは一点だけ。
インド臭を消すための処置だと思うけど、活性炭の臭いがいまだとれない。
芳香剤が好きな人は何か置けば多少ごまかせるだろうけど。