ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は 2014年3月の超絶スーパーカー特集をプレイバック。スーパーカー評論家 西川淳氏が(なぜか京都弁で)斬る!(本稿は「ベストカー」2014年4月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:西川 淳
■ヘネシーヴェノムGT(1260馬力・435.31km/h)
まず、ヴェノムGT。
ロータスのオバケみたいなクルマなンやけど、実物の発するオーラはめちゃくちゃすごいンよ。ちなみに、ヘネシーゆうブランドは、ビッグ3のスポーツカー、バイパーやコルベット、マスタングなんかのチューニングで有名なアメリカのヘネシー・パフォーマンス社のこと。
ヴェノムGTは、ロータスがベースとはいえ、ヘネシーが初めて手がけたオリジナルスーパーカーちゅうわけ。
で、そんなヴェノムGTが0→300km/h加速で、13.63秒という驚異的なギネス記録を達成、ちゅうニュースのコーフンもさめやらぬうちに、今度は、世界最高速度記録を達成した、ゆうからホンマ、驚いた。
YouTubeにその全容が公開されているんで、早速、見てみたんやけど、コレが凄いのなんの。
ところはケープカナベラルのケネディ宇宙センター。演説BGMが終わると同時に、ヴェノムGTがスタート。カメラ揺れの激しいこと! 加速がはちゃめちゃに凄いっちゅう証拠やろ。
2速で106km/h、3速168km/h、4速237km/h、5速314km/h、そこまでは、ほとんど等間隔でアッという間や。なるほど、加速記録でギネス取っただけのことはある!
6速で、速度は既に362km/hに達してる。そこからも、ペースはちょい鈍るけど、まだまだ加速。1カ所めのパイロン通過で429km/h、2カ所め、全長5kmのスペースシャトル着陸コースで残り1kmのポイント=ゴールで、なんと435.31km/h(正確には270.49マイル)!
ヴェイロンのもつ市販車最速速度記録、堂々の更新や(ほんでもって、まだまだ余力はありそうやった)。
もっとも今回は、30台ゆう生産台数も間に合ってないし、一回のトライアルのみ(ギネスは二回の平均)ちゅうことで、ギネス認定はなし。せやけど、実力はきっちり実証しはった。この速さは、ホンマモン。
いやぁしかし、ツインターボ化で1260馬力も絞り出すコルベット用7Lエンジンも、凄いやんね。オリジナルのスーパーカー作るんやったら、LS7に限るかもな。
21世紀のデトマソ・パンテーラ、出てけえへんかなぁ。なんなら、オレ、やったろか?!
■ケーニグセグ・アゲーラONE:1(1360馬力・440km/h)
●1メガW=1360ps、車重が1360kg!
“イチ”やなんて、えらいシンプルな名前やんか、きっとワンオフとかとちゃうやろか、なんて思ってジュネーブショーのブースをなにげに覗いてみたら、びっくりしたわぁ、しかし。
イチはイチでも、パワーウェイトレシオがイチ、なンやって!(6台限定で完売らしいよ)ほんでしかも、1360馬力の1360kgって、ほとんど意味不明。クルマにメガワット積むやなんて、いったいナニ考えたはるンでっしゃろか。
せやけど、よう見たらコレ、クルマのデキはええねン。社長のクリスチャンって、ホンマ、天才で金持ちで完璧主義者やし、すでにこれまでのCCXで実績も充分もってるから、最高速440km/h以上も、マジやろ。
それでも、今回は最高速狙いちゃうらしいよ。空力頑張って、サーキットで速くしたんやて。
ミドに積んでるンは5LのV8ツインターボやね。頑丈なアメリカンV8が設計の下敷きになってて、パワーを振り絞ったゆうても、たぶん天才クリスチャンのことや、きっちりモノにしたはるンとちゃうか。
スタイリングも独特どす。特にドアの開き方やね、操り人形の腕みたいで、そらカウンタックより目立つやろな。開ける時は注意しぃやって、ドアの内側に書いてあるねん。一回、せり出てきはるし、左右に余裕もって停めへんかったら、隣にガボッて当たってまうンよ。
ジュネーブで見たなかで、ノってみたいと思たンは、コイツだけ。踏んでみたい! 本気で、スウェーデンまで乗りにいかなあかんねぇ~。

















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