ヴェノムGT アゲーラONE:1 ゼンボST1…… 飽くなき「最高速」への挑戦 超絶スーパーカーの世界【ベストカーアーカイブス2014】

ヴェノムGT アゲーラONE:1 ゼンボST1…… 飽くなき「最高速」への挑戦 超絶スーパーカーの世界【ベストカーアーカイブス2014】


 ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は 2014年3月の超絶スーパーカー特集をプレイバック。スーパーカー評論家 西川淳氏が(なぜか京都弁で)斬る!(本稿は「ベストカー」2014年4月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文:西川 淳

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■ヘネシーヴェノムGT(1260馬力・435.31km/h)

今年(2014年)2月24日、ケネディ宇宙センターの約5kmにおよぶ着陸用滑走路において、435.31km/hを達成し、ヴェイロンスーパースポーツを上回った
今年(2014年)2月24日、ケネディ宇宙センターの約5kmにおよぶ着陸用滑走路において、435.31km/hを達成し、ヴェイロンスーパースポーツを上回った

 まず、ヴェノムGT。

 ロータスのオバケみたいなクルマなンやけど、実物の発するオーラはめちゃくちゃすごいンよ。ちなみに、ヘネシーゆうブランドは、ビッグ3のスポーツカー、バイパーやコルベット、マスタングなんかのチューニングで有名なアメリカのヘネシー・パフォーマンス社のこと。

 ヴェノムGTは、ロータスがベースとはいえ、ヘネシーが初めて手がけたオリジナルスーパーカーちゅうわけ。

 で、そんなヴェノムGTが0→300km/h加速で、13.63秒という驚異的なギネス記録を達成、ちゅうニュースのコーフンもさめやらぬうちに、今度は、世界最高速度記録を達成した、ゆうからホンマ、驚いた。

 YouTubeにその全容が公開されているんで、早速、見てみたんやけど、コレが凄いのなんの。

 ところはケープカナベラルのケネディ宇宙センター。演説BGMが終わると同時に、ヴェノムGTがスタート。カメラ揺れの激しいこと! 加速がはちゃめちゃに凄いっちゅう証拠やろ。

 2速で106km/h、3速168km/h、4速237km/h、5速314km/h、そこまでは、ほとんど等間隔でアッという間や。なるほど、加速記録でギネス取っただけのことはある!

ヘネシーヴェノムGT
ヘネシーヴェノムGT

 6速で、速度は既に362km/hに達してる。そこからも、ペースはちょい鈍るけど、まだまだ加速。1カ所めのパイロン通過で429km/h、2カ所め、全長5kmのスペースシャトル着陸コースで残り1kmのポイント=ゴールで、なんと435.31km/h(正確には270.49マイル)!

 ヴェイロンのもつ市販車最速速度記録、堂々の更新や(ほんでもって、まだまだ余力はありそうやった)。

 もっとも今回は、30台ゆう生産台数も間に合ってないし、一回のトライアルのみ(ギネスは二回の平均)ちゅうことで、ギネス認定はなし。せやけど、実力はきっちり実証しはった。この速さは、ホンマモン。

 いやぁしかし、ツインターボ化で1260馬力も絞り出すコルベット用7Lエンジンも、凄いやんね。オリジナルのスーパーカー作るんやったら、LS7に限るかもな。

 21世紀のデトマソ・パンテーラ、出てけえへんかなぁ。なんなら、オレ、やったろか?!

ヘネシーヴェノムGT
ヘネシーヴェノムGT

■ケーニグセグ・アゲーラONE:1(1360馬力・440km/h)

ケーニグセグ社創立20周年を記念し、アゲーラをベースに開発。車名の「ONE:1」は、パワーウエイトレシオが1kg/ps、つまり出力(1360ps)と重量(1360kg)が1:1が由来
ケーニグセグ社創立20周年を記念し、アゲーラをベースに開発。車名の「ONE:1」は、パワーウエイトレシオが1kg/ps、つまり出力(1360ps)と重量(1360kg)が1:1が由来

●1メガW=1360ps、車重が1360kg!

 “イチ”やなんて、えらいシンプルな名前やんか、きっとワンオフとかとちゃうやろか、なんて思ってジュネーブショーのブースをなにげに覗いてみたら、びっくりしたわぁ、しかし。

 イチはイチでも、パワーウェイトレシオがイチ、なンやって!(6台限定で完売らしいよ)ほんでしかも、1360馬力の1360kgって、ほとんど意味不明。クルマにメガワット積むやなんて、いったいナニ考えたはるンでっしゃろか。

 せやけど、よう見たらコレ、クルマのデキはええねン。社長のクリスチャンって、ホンマ、天才で金持ちで完璧主義者やし、すでにこれまでのCCXで実績も充分もってるから、最高速440km/h以上も、マジやろ。

 それでも、今回は最高速狙いちゃうらしいよ。空力頑張って、サーキットで速くしたんやて。

 ミドに積んでるンは5LのV8ツインターボやね。頑丈なアメリカンV8が設計の下敷きになってて、パワーを振り絞ったゆうても、たぶん天才クリスチャンのことや、きっちりモノにしたはるンとちゃうか。

 スタイリングも独特どす。特にドアの開き方やね、操り人形の腕みたいで、そらカウンタックより目立つやろな。開ける時は注意しぃやって、ドアの内側に書いてあるねん。一回、せり出てきはるし、左右に余裕もって停めへんかったら、隣にガボッて当たってまうンよ。

 ジュネーブで見たなかで、ノってみたいと思たンは、コイツだけ。踏んでみたい! 本気で、スウェーデンまで乗りにいかなあかんねぇ~。

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