マツダは2025年3月18日、電動化に向けた「ライトアセット戦略」を発表した。そのなかで、スカイアクティブXに変わる新たなガソリンエンジン、スカイアクティブZを開発中であることを明らかにした。この2.5L直4ガソリンエンジンに、マツダ独自のハイブリッドを組み合わせて、2027年中に次期CX-5から導入される。スカイアクティブXを振り返るとともに、このスカイアクティブZははたして夢のエンジンなのか、徹底解説。
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部、マツダ
スカイアクティブXは成功したのか?
マツダは2012年12月に先代CX-5を発売して以来、「スカイアクティブ」の名称で、さまざまな新しいメカニズムを搭載してきた。ステップ1となるスカイアクティブ-Gは世界一の高圧縮比14を実現。ステップ2のスカイアクティブXは世界初のリーン圧縮着火燃焼をするSPCCI燃焼を実現。
スカイアクティブXは、高い動力性能と低燃費の両立、二酸化炭素の排出抑制を目標に開発された。メカニズムについては、ガソリンとディーゼルエンジンのメリットを掛け合わせたような内容を備える。

スカイアクティブXの技術要素として、最も注目されたのが火花点火制御圧縮着火方式SPCCIだ。幅広い回転域、運転状況にわたって、希薄燃焼を可能にした。
さらに燃焼の支援機能として、スーパーチャージャー(過給器)に準じたメカニズムが搭載され、マイルドハイブリッドも使われている。このほか排出ガスを浄化するシステムとして、クリーンディーゼルに多く使われる粒子状物質を除去するフィルターや触媒も採用されている。
これらの相乗効果により、現在マツダ3ファストバックXツーリング4WDに搭載されるスカイアクティブXは、直列4気筒2Lながら最高出力が190ps/6000rpm、最大トルクは24.5kgm/4500rpmを発揮する。プレミアムガソリンを使うこともあり、この動力性能はCX-5の直列4気筒2.5Lエンジンに近い。
その一方でWLTCモード燃費は、4WDシステムを搭載して16.7km/L(6速AT)だ。マツダ3ファストバックに1.5Lエンジンを搭載した2WDの数値が16.6km/Lだから、スカイアクティブXは、2Lの排気量で2.5Lの動力性能と1.5Lの燃費を両立させた。
しかしマツダ3やCX-30に用意されたスカイアクティブX搭載車は、売れ行きが伸び悩んだ。理由は価格が割高だったからだ。発売当初のグレード構成では、2Lノーマルガソリンエンジンを搭載する20Sプロアクティブツーリングセレクションと価格を比べやすく、スカイアクティブXのXプロアクティブツーリングセレクションは約68万円高かった。
スカイアクティブX搭載車が高価格だった理由は、スーパーチャージャー、マイルドハイブリッド、粒子状物質の除去フィルターなども含めて、コストの高いメカニズムを多く採用したからだ。2.5Lエンジンの動力性能と1.5Lの燃費を両立させても、価格が68万円も高いと購入しにくい。そのためにスカイアクティブXは、力を入れて開発されながら、販売面では失敗に終わった。
CX-30はスカイアクティブXを搭載するグレードを既に廃止しており、2025年4月時点で購入できるのは、マツダ3ファストバックXツーリングのみだ。駆動方式は4WDだけで、パッケージオプションと組み合わせられるため、価格はXツーリングブラックレザーパッケージが396万4400円に達する。
販売店によると、現時点で「マツダ3のスカイアクティブX搭載車は、約2か月で納車できる」としている。それでもCX-30で廃止した以上、今後はマツダ3でもスカイアクティブX搭載車を選べなくなる可能性が高い。
コメント
コメントの使い方SKYACTIVE-Z マツダの常套手段 机上理論とMBDでけの話。実際 試験エンジンなど造っていないのは!容易に想像できる。出す出すと言って、結局出来ませんでした。って事も有り得るし”独自”のハイブリッドについても、エンジンメイン、モーターはサポートってほうしきだから、トヨタのTHSⅡを燃費で超えることは無い。
sky-Xも究極だって散々持ち上げ記事があがりましたし、価値があるもんだとして選びました
そしたら実情は全く違った。同じ手で騙されるなんて、ありえません