ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回はベストカー名物の「ランキング企画」より、2014年4月号の「全長4000mm未満のコンパクトカー」カテゴリーのランキングをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
選考:石川真禧照、鈴木直也、国沢光宏、片岡英明、渡辺陽一郎/構成:編集部
■「全長4000mm未満のコンパクトカーカテゴリー」 ここが注目ポイント!
今回のランキング企画では、5名の選考委員がエントリーされたモデルたちのランキングを各々決定、各モデルに付けられた点数を合計し「点数の小さいもの」を上位として総合ランキングが決定……、という方式を採用した。
当然ながら各選考委員の価値観や判断基準で採点・評価が大きく違う車種もある。本文ではそのあたりを各選考委員に解説してもらっている。
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経済性の高さで、現在最も人気のあるカテゴリーのひとつがこのコンパクトカー。ハイブリットモデルもあるなどラインアップも実に豊富。
そして、燃費が最優先なのか、パッケージングか、コストパフォーマンスか、あるいはクルマ好きにとって何より大切な走りの楽しさかなど、その評価のポイントは多岐に渡り、このクラスでは今回の5人の評論家が重視した評価が微妙に違った結果が出たといえそうだ。
そんななか、1位になったのはフィット。総合力ではやはりナンバーワンの存在ということで納得の結果だろう。2位はスイフトスポーツで、走りではクラストップだけに、これまた順当ともいえるが、そのほか注目したいポイントもあった。そのあたりをここでは聞いてみた。
■国沢光宏氏に聞いてみた
【編集部からのクエスチョン】国沢さんはアクアを5位にしていますが、昨年の新車販売ナンバー1車のアクアだけにもっと上位でもいいのでは? 同じハイブリッド車の2位フィットハイブリッドとの差はどこに?
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アクアは人気車ながら「売れているクルマがいいクルマ」だということにならない。時として間違った方向に流れます。ということでアクアを評価しない理由は3つ。①自動ブレーキを選べないこと。今から新車を買うなら絶対に欲しいアイテムである。シートベルトしてクルマに乗るようになったいまや、ベルトなしじゃ心配。エアバッグだって付いてないと怖い。安全対応ボディじゃないクルマに乗ってると落ち着かぬ。それと同じくらいの“重さ”を持つ。
そして②が割高なこと。ハイブリッドなら多少高くても売れるだろう、とトヨタは読んだ。だからこそプリウスの価格を12万円高くして(内容変更なしの単なる値上げです)、アクアの価格を決めたのでございます。驚いたことに値上げ前のプリウス(205万円)と、サイドエアバッグやアルミホイール、スマートキーを付けて装備を同じにしたアクア(195万円)との価格差、ほとんどないですから。フィットハイブリッドの価格が安く感じるほど。
だからこそ③中古車が安い。新車で割安感のないクルマの中古車は高い。逆に割高感のあるクルマの中古車って安くなる。アクアの場合、プリウスと中古車価格が接近するため、高くすると売れないのだ。といったことを総合的に評価したなら、5位だって上等だと考えます。同じハイブリッドのフィットハイブリッドよりも低い順位にしたのも以上の理由からだ。
逆にデミオのディーゼルとかが妥当な価格設定&自動ブレーキ付きでデビューしてきたら、文句なしにトップ争いをすることだろう。現時点での1位はテッパンでフィットです。












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