怖い人が乗っているブランドなんていうのはもう遠い昔の話。近年のメルセデス・ベンツは、どのクラスを選んでも失敗することはない。しかし、長い歴史の中には疑問を感じるようなクルマも存在していた。同じ時代に存在していた初代Aクラスとバネオである。
文:伊達軍曹 写真:メルセデス・ベンツ
【画像ギャラリー】ベンツも木から落ちる? メルセデスの大失敗作2選(3枚)画像ギャラリー現代もステイタス性が強いメルセデス・ベンツブランド

何かと毀誉褒貶もあるメルセデス・ベンツというブランドだが、その車自体はたいてい素晴らしい。
もちろん、ときには「…ちょっと微妙かも?」と感じるモデルや世代が登場する機会がゼロなわけではない。だが、そんな場合でも「最低限のライン」は常に超えていた。
そしてブランドイメージというかステイタス性というか何というかの部分に関しても、メルセデスはおおむね常に素晴らしい。「今どき車でステイタスうんぬんを語るなんてナンセンスだよwww」という意見も昨今は多く、それについては、筆者もまったく賛同しないわけではない。
だがしかし、やはり今でも車は「ステイタス」と深く結びついているというのがこの世の真実だ。そしてメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターは、やっぱりなんだかんだで強烈なステイタスシンボルであり続けているのだ。
そこを無理に否定したがるのは、過度にディープな車好きという人種だけである。そんなこんなで筆者は“ベンツ”のことがけっこう好きで、エラソーな言い方で大変恐縮だが、認めてもいる。
メルセデス・ベンツの黒歴史、初代Aクラス
だがそんな筆者でも「これはあきらかに駄作とでしょ!」と思わざるを得なかったメルセデス・ベンツ車が2車種だけある。ひとつは、1998年に発売された初代Aクラス(W168)だ。
2005年からの2代目Aクラス(W169)はまあまあマトモになり、その後の3代目(W176)は「イイ!」というニュアンスに生まれ変わり、そして現行型である4代目(W177)は「最高やんけ!」と感じる境地に達した。
だが初代Aクラスは本当にダメなコンパクトカーだった。すべてがガタピシしていて、これといって良いところがひとつもなかった。
いや、いちおう普通には走るので「まったくダメ」ということもないのだが、メルセデスが作る車が「普通に走る」ではダメなのだ。
メルセデスには、もっとこう人が思わず「なんじゃこりゃあっ!」と良い意味で叫ぶぐらいのモノを世に送り出さなければいけない。
その意味で初代Aクラスには「なんじゃこりゃっ!」が特になく、それを国産コンパクトカーの倍ぐらいの値段で売ろうというのだから、筆者は当時「このままメルセデスのブランド神話は崩壊してしまうのではないか?」と、勝手に心配していたものだ。
今、中古車情報サイトを見てみたら、初代Aクラスはまだしぶとく2台ほどが流通している模様。
価格は総額40万~60万円ぐらいと、この年代の小型車としてはまあまあ高い水準なので、「もしかしてネオクラシックとして人気が出てきたのかな? じゃあ俺も買おうかな?」なんて早とちりする人がいるかもしれないが、やめておいたほうがいいと申し上げたい。




コメント
コメントの使い方ベンツ車をステイタスシンボルと思うのは中低後進国民だけ。
スエーデンでもオランダでも、本国でも、タクシーに多くのベンツ、多くはEクラス、が使われています。
もちろん、それは耐久消費財の経済、事故リスク上の合理的考えの元。
日本のように若い平や下級サラリーマン、学生はベンツには乗らず、乗っていたらバカにされるでしょう。
初代Aクラスは横転するという欠陥車であった。
バネオ、元愛車だけれど、悪い車ではなかったけれどなあ……ちょっと癖はあったけれど、もともと飛ばすような車ではないし、車内は広いし、荷物も乗るし。ハンドルはパワステのくせに重いけれど、慣れると気にならないし、割と小回り効くし。高速道路でも淡々と走る分には安定していて乗りやすかったと思う。横風には弱いけれど。
横風には弱い…
もう悪い車の答え言ってるじゃないですか
初代Aシリーズのステアリングシャフトのガタはひどかったですね。新車でも結構すぐに発生し、対策が無い。ディーラーに相談してもシャフトASSY交換(べらぼうに高い)事を言われ、かつ再発すると・・・ 親戚、知り合いに「今のベンツは買っちゃダメ」と言って回ったものです。そこから個人的にベンツとは距離を取ってますね。