さまざまな悪条件が重なり、EVシフトの速度感が鈍っていたヨーロッパ勢だが、EU欧州委員会がCO2排出規制の緩和を発表。欧州勢が「執行猶予」を求め、それが認められた格好だが、この決定は日本メーカーにも追い風となる!?
※本稿は2025年3月のものです
文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:トヨタ、ホンダ
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
EU欧州委員会がCO2排出規制を緩和!
EU欧州委員会がCO2排出規制の緩和を発表しました。2025年から各メーカーに課す予定だった単年での達成義務を免除、2027年までの平均値を新たな基準値とすることで、目標達成に3年間の猶予を与えます。
●片岡氏のコメント
欧州勢は、ディーゼルの不正問題にロシアのウクライナ侵攻が加わるなど、目算どおりにEVシフトが進まなかった。
マルチソリューションへの転換によって内燃機関は息を吹き返したが、CO2の排出規制と燃費規制は待ったなし。販売も低迷しているので、50年前と同じように泣きついて規制緩和を求めたのだ。
欧州の自動車産業に配慮して、2027年までの3年間、目標達成の猶予期間を延長することにした。また、同時に業界全体で160億ユーロにのぼる罰金の適用も先延ばししている。
この猶予措置は、トヨタやホンダなどの日系自動車メーカーにとってもうれしい決定であることは間違いない。
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