クルマに限らず、モノは一人の評価よりも、複数の人たちの評価のほうが文字通り多角的な視点が得られて参考になる。ここでは待望の日本登場となった新型スバル フォレスターを3名の自動車評論家の方々にレポートしていただいた。
※本稿は2025年4月のものです
文:国沢光宏、片岡英明、岡本幸一郎、ベストカー編集部/写真:スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
サイズ感はキープしつつ大幅進化
2023年11月に北米で世界初公開されて以来、日本での発売が待望されてきたフォレスターが、この春ようやく国内上陸を果たした。フロントマスクをはじめイメージを新たにしたエクステリア、刷新されたプラットフォームなど、気になるポイントが盛りだくさんだ。
ベストカーでは正式発売に先行し、雨の袖ケ浦フォレストレースウェイでのインプレを2025年5月10日号で掲載。レビューを担当した松田秀士氏は、ストロングハイブリッドのリッチなトルクフィールや、1.8Lターボ車の高速域でのフットワークのよさ、サイクリストエアバッグの新設定などついて高く評価した。
今回新型フォレスターのレビューを担当するのは、国沢光宏氏、片岡英明氏、岡本幸一郎氏の3人だ。
●スバル フォレスター Premium 主要諸元
・全長×全幅×全高:4655×1830×1730mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1750~1780kg
・パワーユニット:3L、水平対向4+モーター
・エンジン最高出力/最大トルク:160ps/21.3kgm
・モーター最高出力/最大トルク:119.6ps/27.5kgm
・WLTCモード燃費:18.4km/L
・価格:459万8000円~
燃費と雪道性能の高バランスが魅力。サイクリストエアバックも評価したい(国沢光宏)
新型フォレスターの初期受注が好調のようだ。すでにハイブリッドモデルについては2025年内の納車ができないという。スバルのフルハイブリッド車を待っていた人が多かったことがよくわかると思う。
そんな新型フォレスター最大のストロングポイントは「燃費性能と雪道の強さの高いバランス」にある。実際、雪道に強いと言われているSUVのなかでも、フォレスターは別格だ。
一番の美点が最低地上高の高さ。フォレスターの最低地上高は220mm。競合車には180mmなんてモデルもある。昨今は突然ドカ雪に見舞われることも多い。そんな時に重要なのは「お腹をこすらないこと」だったりする。
雪や固まった氷だらけの市街地で、40mmの差は決定的だし、そのうえで最強の駆動性能を持つのだ。さらに後輪はドライブシャフト直結の駆動で嬉しい。高速巡航時の安定性に優れる。
ウィークポイントを上げるなら、フル装備すると500万円近くなってしまう価格と「見慣れたインテリア」だと思う。ダッシュなどは液晶を含め、現行レヴォーグから基本的に変わっていない。今や大型の液晶画面は必須装備になりつつあるが、もう一回り大きい液晶が欲しいところだ。
そして、個人的には歩行者&自転車用エアバッグを標準装備したことを、高く、高く評価したい。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9点
・加速性能:8点
・乗り心地:9点
・4WD性能:9.5点
・先代からの進化度(先代を10点として):15点
・コストパフォーマンス:8点


























コメント
コメントの使い方狙い通りです。価格アップの大きさは無視してもいいから、中身を評論家が褒めるレベルに最初から仕上げる。
消費者が買いやすい値段で出すこと優先で、その中で刷新していくメーカーもありますが、スバルとしてはこれで大正解。
評価を得て、買える人に買って貰って、そういう金出した以上は愛車に甘い人にしっかり高評価してもらって、資金とポジションを得て次に繋げる、これが大事。安くする努力は後からでいい。