昭和元年から数えて、2025年は昭和100年にあたる年。そこで、昭和から令和に登場したクルマの中から、「各メーカーを代表する一台」を片岡英明氏に選んでいただいた。ここではマツダ、スバル、三菱、ダイハツ、そして懐かしのいすゞからチョイス!
※本稿は2025年4月のものです
文:片岡英明/写真:マツダ、スバル、三菱、ダイハツ、いすゞ ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
カローラ、サニーを抜いてベストセラーに
マツダは3ローターロータリーのユーノスコスモや、凝ったメカのR360クーペと迷ったが、1980年に登場したFFファミリア(5代目)を代表とした。
トヨタを歯軋りさせるほど売れ、常勝カローラとサニーを抜いてベストセラーカーに輝いたからだ。また、陸(おか)サーファーを生み出すなど、社会現象も巻き起こした。
今のスバルへとつながる道を切り拓いたのは、スバル360ではなく平成生まれのレガシィだ。それまでの作品と一線を画す、新しい価値観のセダンとワゴンを誕生させ、ヒットへと導いている。
ターボ搭載のツーリングワゴンGTを中心に、4WDスポーツワゴンブームを築いた。他メーカーのワゴン作りにも大きな影響を与えている。
三菱を代表する名車と言えば、パジェロやランサーエボリューションだ。しかし、それより前に強烈な印象を残したスポーツモデルがあった。1970年秋に登場し、センセーションを巻き起こしたギャランGTOだ。
フラッグシップのMRは三菱初のDOHCエンジンを積み、ラリーで鍛え抜かれたフットワークもいい。ファストバックにダックテールの流麗なフォルムも羨望の眼差しを浴びた。
ダイハツは軽自動車だけでなくスモールカーにも傑作が多い。なかでもシャレードは名作揃いだ。
初代シャレードはキュートなデザインで、1Lの3気筒エンジンは軽やかに回る。実用燃費も良好だった。第2世代では世界最小のディーゼル搭載車を投入する。名門パーツで粋にドレスアップしたデトマソターボはボーイズレーサーの代表だ。
今はトラックとバスの専門メーカーとなったいすゞの力作は、オーバルシェイプのベレット1600GTである。スカイラインとともにGTブームを盛り上げた。ヨーロッパ車のように軽やかな身のこなしも特徴のひとつだ。
117クーペとは違う魅力を備え、冴えた走りは後のジェミニZZやハンドリング・バイ・ロータスに受け継がれた。













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