キューブの販売終了が近づいている。
現状、すでに全国の日産販売店には生産終了が通達され、在庫のみの販売となっており、一部の仕様・グレード・カラーについては、用意できない段階だという。
2003年から2004年にかけ、年間で約14万台も売れていたキューブ。日産の一時代を築いたモデルだけに、その終焉を名残惜しく感じる方も多いことだろう。
ところで、2代目キューブ(2002年-2008年)が大いに売れていた当時、ホイールベースを伸ばした派生車種として、「キューブキュービック」という3列シートのコンパクトミニバンがあった (表記は「キューブ3」)。
3列シートのコンパクトミニバンといえば、トヨタのシエンタは2019年登録車販売台数で3位、フリードは2019年ホンダで最も売れた登録車であり、2019年登録車全体では第9位にランクインするなど、超人気カテゴリだ。
あれだけ人気だったキューブの3列シート車である。このキューブキュービックも、もし続いていれば、シエンタやフリードに負けない「名車」と言われる存在になれたのではないだろうか。
文:吉川賢一、写真:日産、ホンダ
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キューブキュービックはどうして誕生した?
国内市場で3列シートのミニバンが流行し始めたのが、ちょうど2000年頃。
トヨタ、ホンダ、日産からミドルサイズミニバンが乱立する中において、「ミドルサイズミニバンでは少々大きすぎる」という顧客をターゲットにした3列シートのコンパクトミニバンが注目され始めた。
そうしたなか、2001年にホンダモビリオが登場、コンパクトミニバンとして初の3列シート7人乗りを実現し、話題となった。
そんななか、2002年10月に、2列シート5ドアコンパクトミニバンの2代目「キューブ」がデビュー。
初代キューブのデザインから、より「キューブ(四角)」らしいデザインへとブラッシュアップされ、大人気となった。
この2代目キューブの発売から遅れること11ヵ月の2003年9月、キューブに対しホイールベースを170ミリ延長し、折り畳みできる3列シートを装備した5ドアコンパクトミニバン「キューブキュービック」が誕生する。
おそらく、売れ筋のキューブと合わせ、「キューブ」ブランドを強固なものにしようとしたというのが日産の思惑であろう。
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