燃費に差が出る要因検証 同じ道路でも通勤時の混雑時間帯と空いている時間帯でどれだけ燃費に差が出るのか!?【燃費調査隊その2／ベストカーアーカイブス2013】

上り方面も所要時間は20分の差が出た！

　いっぽうの上り方面、出社時間帯の通勤燃費はどうか？

　23日（金）の朝に石神井公園駅をスタートした時はまず交差する環状8号線の手前で、次に目白通りと新目白通りが分岐する交差点の手前などで500～700m程度の渋滞が発生していたが、編集部までかかった時間は44分。大きな渋滞がなく、燃費は12.0km/Lという結果だった。

　が、これより混雑したのが26日（月）の朝で、8時16分に出発して編集部まで54分と、23日より10分も余計に時間がかかった。

　渋滞ポイントでの渋滞距離も長かったが、それ以外の区間でも交通量が多くて断続渋滞のような状況だ。燃費は11.4km/Lまで悪化した。

　また、上り方面での空いている時の燃費はどうかというと、23日（金）の昼間と夜にテストしたところ夜のほうが燃費がよく、その結果は14.1km/Lと26日の通勤時間帯よりも2.7km/L向上、所要時間も34分と20分も早く到着できた。

総評

　というわけで、数回の燃費テストを行なったわけだが、通勤時間帯とそうじゃない時間帯とではけっこう大きな燃費の差が現われた。

　ちなみに、テスト車のミラージュはアイドリングストップ装置を搭載しているのだが、そのエンジン停止時間は表のとおり走行時間の20％前後もあることがわかる。燃費向上にとても効果がありそうだと実感したが、ミラージュはJC08モード燃費と実燃費が意外と大きかったことも気になった。

【番外コラム】編集部ウメキの広報車燃費データ

　我が家とベストカー編集部の距離はちょうど16km。どのクルマのトリップメーターを使っても16kmジャストからせいぜい16.5km程度に収まるので、まあほぼ誤差なく16kmとみていいだろう。

　都心から放射状に伸びる都道が通勤経路となるのだが、たいてい帰宅時のほうが燃費が悪く、出勤時の燃費がいい。理由はシンプルで、基本的に都心の標高は低く、編集部に向かう経路は目には見えない程度だが緩やかに下っていて、帰りはひたすら緩やかに上っているためだ。

　取材用に借りた広報車で翌日早朝から撮影に直行するような場合、自宅に乗って帰ることもある。逆に、取材から夜遅くに直接自宅に帰って翌朝編集部に乗っていくという場合もある。

　そんな時、可能なかぎり「いつもの通勤経路」で実用燃費を計測するようにしているのだ。走る時間帯はほぼ同じ。出勤時であれば午前7時台から8時台。都心に向かう放射道路はそれなりの混雑をしている。走行時間はだいたいいつ走っても50～60分。平均速度16km/h程度だから都内の一般道としてはよくある状態といってよかろう。

　帰宅時もほぼ同じ。混雑するポイントはたいてい決まっていて、道路状況による燃費の誤差は少ないハズ。それに、やたらと空いていたり、逆に混雑している場合はその旨メモに書き加え、データに加えないようにしている。

　当然、走らせ方も意識して「同じように｣しているので運転方法による誤差も最小限にしている。とはいえ、もちろん同一条件など作り出すことはできないので、あくまでも「参考程度」に見ていただくのがいいだろうし、自分自身もそんなつもりでデータを取り始めたのだ。

　ちょっと古いデータのためここの表には入れなかったが、現行型プリウスが登場した直後に同じように燃費データを取ったのだが、どんな走らせ方をしても20km/Lを割ることはなかったのが印象的だった。

　逆にアクセルの踏み方など、ちょっと気を遣って走らせると28km/L程度はあっさりとマーク。ストップウォッチ片手に計測したのだが、60分走ってエンジンが稼働していたのが6分程度だったのにはビックリした。そりゃあ燃費いいはずだよ。この時は30km/Lを超えていた。

（写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります）