『私をスキーに連れてって』から火がついたスキーブーム。それと同時に注目されたスバル レオーネ。そしてそれを引き継いだレガシィツーリングワゴン。以来、レガシィはステーションワゴンの覇者となった。そんな中、ついに巨人トヨタが動く。これは絶対王者に立ち向かおうとした挑戦者の物語だ。
文:小鮒 康一/画像:スバル、トヨタ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】アマチュア無線にスキー、スキューバにミニFM! そしてステーションワゴンがあった約40年前の世界!(29枚)画像ギャラリーレガシィ超えは果たせず! ブームの火付け役は伊達じゃない!!
1989年に初代モデルが登場すると瞬く間に人気車種となり、多くのフォロワーを生み出したレガシィツーリングワゴン。そんなフォロワーはさまざまなメーカーから矢継ぎ早にリリースされていたが、結局レガシィツーリングワゴンの牙城を崩すまでには至らなかった。
それは天下のトヨタがリリースしたカルディナも同じことで、1992年に初代モデルが登場し、2007年の終売までに3世代が存在していたが、こちらもレガシィツーリングワゴンを凌駕することは叶わなかったのだが、果たしてカルディナはなぜレガシィツーリングワゴンを超えることができなかったのだろうか。
レガシィツーリングワゴンを超える華が足りなかった?
1992年11月に新規車種として登場したカルディナだが、ラインナップ的には同年夏で終売となっていたカリーナサーフの穴を埋めるものであり、欧州で「カリーナE ワゴン」として販売されていたものを日本向けに仕立て直したものというのが実のところだった。
ちなみにカリーナEは日本では10代目コロナとして販売されていたものの欧州仕様であり、カルディナのフロントマスクにもコロナの面影を見ることができる。
そんな出自を持つ初代カルディナは、カリーナバンのユーザーもフォローしなければならないことでカルディナバンという商用モデルもラインナップしていたのだが、これが乗用車専用として開発されたレガシィツーリングワゴンよりもチープに見えてしまったということもあったようだ。
また高出力なターボモデルをラインナップするレガシィツーリングワゴンに対し、カルディナはそういったグレードが設定されなかった点も弱点で、95年2月にはスポーツツインカムエンジンを搭載するTZ-Gを追加するが、最高出力は175PS(MT車)とレガシィツーリングワゴンのターボに比べると物足りないものとなっていた。
そのため1997年9月に登場した2代目カルディナでは商用モデルを廃止し、セリカGT-FOUR譲りの3S-GTE型ターボエンジンを搭載。またエクステリアもスポーティなものとすることで初代の弱点を克服しようとした。
パワー十分だけどなぜMTがない……
しかしレガシィはその翌年に3代目へとフルモデルチェンジを実施し、2代目後期モデルでは国産2Lエンジンとしては初めて自主規制値いっぱいの280PSを叩き出すなど、一足先を行っていたのだ。
そこで2002年9月に登場した3代目カルディナではレガシィに先駆けて3ナンバーサイズのボディとし、ターボモデルには伝統の“GT-FOUR”の名前を与えた。
そのターボモデルの最高出力は260PSであったものの、カヤバ製の倒立式フロントダンパー&モノチューブ式リアダンパー、パフォーマンスロッドなどを装備し、ニュルブルクリンクの頭文字を取った“Nエディション”も用意された。
ただなぜかここまでホットモデルにもかかわらず、MTの設定がなく、通常グレードもGT-FOUR譲りのスポーティな味付けやルックスとしたことで実用ワゴンとしてカルディナを検討していたユーザーからチグハグな印象を与えてしまい、結局人気車種に上り詰めるまでには至らなかったのが実際のところだった。
































コメント
コメントの使い方足も良く、馬力もトルク特性も良く、走らせたら実際に非常に速いし、乗り心地まで競合比で良い。見た目も今は野暮ったく見えても当時は際立ってました。
なので批判点探しが難しく、当時は「弾丸型のせいでCピラー寝すぎ!ラゲッジが狭い!」という重箱隅をされてました。
使ったことないのバレバレで、実際には十分な容量と使いやすいラゲッジ&ハッチでしたけどね。実用的で快速なスポーツワゴンでした