「クロス」付ければ売れる説は本当か!? クロスオーバーSUVのビフォーアフター

「既存のSUVとは一線を画すスタイリッシュフォルム」 三菱・エクリプスクロス

「クロスつけときゃ売れる説」は本当か!? クロスオーバーSUVのビフォーアフター
彫刻的なキャラクターラインによるウェッジシェイプや前傾したリアウィンドウなどにより、シャープでダイナミックなエクステリアを構築。フロントマスクは三菱のデザインコンセプトであるダイナミックシールドを採用する

 コンパクトサイズのクロスオーバーSUVとして2018年にデビューしたエクリプスクロス。欧州、豪州、アセアン地域、北米にも輸出する世界戦略車だ。

 ただ、エクリプスの名が最初に与えられたのは、1989年に北米でデビューし、翌年に日本へ導入された2ドアクーペモデル。

 ギャランとシャシーを共有し、上級グレードは2リッターターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせるスポーツクーペだった。つまり「エクリプス」の名が与えられるものの、まったくの別物なのだ。

 さて、エクリプスクロスのセールスポイントといえば、SUVながらダイナミックかつスタイリッシュなフォルム。三菱車の象徴となるダイナミックシールドを進化させたフロントマスクや、前傾したウィンドウとワイドなコンビランプで立体的な造形としたリアスタイルも独創的だ。

 根底はSUVにあるため、前後のオーバーハングを切り詰めて十分なアプローチ&でパーチャアングルも確保している。

 エンジンは当初1.5リッターターボのみだったが、翌年には2.2リッターターボのクリーンディーゼルを追加。2020年には前出のディーゼルを廃止し、かわりにPHEVモデルが追加された。

 「クロス」を付与して、クーペ&オープンからSUVに生まれ変わったエクリプス。往年の車名を用いつつ、ここまで大きく変わったパターンも珍しい。

「クーペ風デザインと本家譲りの走りで勝負」 日産・スカイラインクロスオーバー

 長年、直6+FRという伝統を貫いてきたスカイライン。

 しかし2001年に登場した11代目では、新世代のプラットフォームを採用してV6エンジンを搭載するなど、大きな路線変更を行った。

 続く12代目でもそのコンセプトは継承され、スポーツセダンというキャラを一層強化。エクステリアも、よりダイナミックなものとなった。

 そして、スカイラインシリーズとして驚きのニューモデルも投入された。それがスカイラインクロスオーバーだ。

 もともとは海外で展開するインフィニティブランドの「EX」として開発されたモデルで、クーペとSUVを融合した新ジャンルカーとしてデビュー。

 フロントまわりを見ればスカイラインだが、全体のフォルムを見れば間違いなくSUV。実際にシャシーはスカイラインと同じFR-Lプラットフォームで、ボディの前半分はスカイラインと共用しているという。

 当然パワートレインもスカイライン同様で、330psを発揮する3.7リッターV6を搭載し、7速ATをドッキング。これらのメカニズムにより、本家スカイライン譲りの走りを披露する。また、FRモデルのほかに、アテーサE-TSを採用する4WDモデルもラインナップされた。

 北米での評価は高く、その後「QX50」に改称して2代目も販売されたが、日本での販売は低迷して1世代で終了。スカイラインという車名が足かせになってしまっていたことは明らかだったのだ。

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