惜しまれずに消えた!? 「派生グルマ」たちの悲喜こもごも

「専用ボディが与えられたギャランの兄弟車」 三菱・エテルナSAVA

惜しまれず消えた!? 迷走「派生車種」たちの悲喜こもごも
「シェイプド4ドア」がキーワードのSAVAは、軽快で伸びやかなフォルムのなかにスポーティでエレガントなイメージを表現したという。ギャランと似ているものの細部が異なる専用ボディで、フロントグリルも専用デザインとなる

 ギャランと異なる販売店で扱われる兄弟車として世に送り出されたエテルナ。4代目(ギャランとしては6代目)では、ギャランが4ドアセダンなのに対し、エテルナは5ドアハッチバックとして登場した。

 しかし、約1年後のマイナーチェンジ時に派生車種のエテルナSAVA(サヴァ)を追加。これがじつに不思議なクルマだったのだ。

 このSAVA、わかりやすく言うとエテルナのセダン版。しかし、ギャランと同じように見えるものの、よくよく見るとちょっと違うことに気づく。

 メーカーリリースに「滑らかなルーフライン、スラントしたリアピラー……」とあるように、リアウィンドウとCピラーの傾斜がギャランよりもきつく、トランクの形状もダックテール風に変更。

 さらに、全高もギャランより低くなっている。つまり、サヴァ専用ボディということ。ちなみに、基本的なメカはギャランと同じだが、SAVAには4WDターボの設定はなかった。

 販売店違いの兄弟車であればエンブレム変更程度でもよかったところ、わざわざ専用ボディが与えられたSAVA。そんな不可解なモデルにもかかわらず、本家エテルナよりは売れたとか。

「ありそうでなかった上級・上質狙いの軽ワゴン」 ダイハツ・タントエグゼ

 圧倒的な居住空間と高いユーティリティ性で人気のタントだが、2代目で登場した派生車種「タントエグゼ」は、ありそうでなかった変わり種。

 これまでの軽ハイトワゴンといえば、広い室内や使い勝手の良さを重視し、ファミリー層をターゲットにしていた。タントがまさにそれだ。

 しかし、エグゼは「大人のタント」として開発され、落ち着いたエクステリアデザインと上質で洗練されたインテリアを実現。

 しかも、ちょっと見た目をイジっただけでなく、Aピラーを寝かせて全高を低くし、自慢のピラーレススライドドアをヒンジ式にするなど、かなり手が込んでいる。

 さらに、十分な厚みのクッションと立体的なデザインでソファのような座り心地を実現する4席グラマラスコンフォートシートにより、ダウンサイザーでも満足できる高い質感と快適性を手に入れたのだ。

 このように凝った作りのエグゼだったが、その気合いも空回りに終わり、販売面では苦戦。高級感を強調した軽ワゴンというのはありそうでなかったコンセプトだが、最大の魅力であるスライドドアを廃したことがマイナスになったのは間違いない。

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