日産N7が中国で爆売れ! 2万台突破の理由と“日本市場にないコスパ最強EVとは?

日産N7が中国で爆売れ! 2万台突破の理由と“日本市場にないコスパ最強EVとは?

 日産が中国市場向けに投入したBEV(電気自動車)「N7」が、販売開始からわずか50日で累計受注2万台を突破! 全長は約4.9m超、堂々たるサイズに加え、240万~300万円という価格ながら豪華装備を満載したこの新型BEVは、今の中国人が求める“現実的なEV”の姿そのものだ。こうしたクルマが求められているのは中国だけじゃない! 日本でも同じニーズは確実に存在する。なぜこうしたBEVが日本では出せないのか? N7の魅力とあわせて考えてみたい。

文:ベストカー編集部/写真:日産

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BEVでこのサイズ、この装備でこの価格!? 日産 N7の衝撃

 中国の東風日産が発売したBEV「N7」が注目を集めている。6月18日に、広州で開催された設立22周年記念「ファミリーデー」イベントで東風日産が明かした情報によると、2024年4月末の発売以来、わずか1カ月半で受注台数は2万台を突破! その勢いはとどまるところを知らず、話題性だけでなく「本気で売れているBEV」であることを実証した。

抜群の滑り出しとなった東風日産「N7」。ライバルの中華BEVと比較しても優れた装備とコストパフォーマンスの高さとなっている
抜群の滑り出しとなった東風日産「N7」。ライバルの中華BEVと比較しても優れた装備とコストパフォーマンスの高さとなっている

 その魅力はなんといっても、全長4930×全幅1895×全高1487mm、ホイールベースは2915mmというDセグ級のサイズ感に加え、車両価格が日本円で約240万円~300万円というコストパフォーマンスの高さだ。

 しかも、この価格で最新Snapdragon 8295P搭載のインフォテインメントとMomenta(モメンタ)エンドツーエンドADASや、AIクラウドシートにインテリジェント・クルマ酔い防止技術、15.6インチ2.5K超高精細センタースクリーン、大容量(最大5.8L)冷暖両用冷蔵庫、超大型パノラマサンルーフ(99.9%紫外線カット)などをどーんと標準装備! この価格帯では類を見ない充実度を実現している。

「みんなが欲しい電動車」を、過不足ない価格で仕上げてきたのがN7というわけ。こうしたお手頃価格で装備が充実のBEVが、今の中国市場では当たり前になりつつある。というか、この価格帯で勝負をしなければ、見向きもされなくなっている。

中国市場が証明した「300万円台の充実EV」が売れる理由

 なぜ日産N7は中国でこれほど売れているのか?

 最大のポイントは価格と装備のバランスが絶妙である点だ。現在の中国では、補助金終了後のBEV市場が成熟期に入りつつあり、派手なガジェットよりも「ちゃんと使えて、お得で、快適なEV」が求められている。つまり、N7はまさに“今の中国人が本当に欲しいBEV”としてピタリとフィットしたのだ。

 現在のところ、東風日産は本車種の日本への導入は未定としているが、それが逆にもったいなく感じられる。これこそ、今の日本人も欲しい一台なのでは?

 日本で購入できる電気自動車は、高級志向または軽自動車サイズの2極化が進んでおり、N7のような「お手頃でちょうどいいミドルクラスEV」がすっぽり抜けている。こういうBEVがいまの日本に足りないのだ!

中国市場のBEVは車内快適性が勝負のポイントとなっている。センターコンソールにある巨大なモニターと最先端技術を投入したシートがウリだ
中国市場のBEVは車内快適性が勝負のポイントとなっている。センターコンソールにある巨大なモニターと最先端技術を投入したシートがウリだ

 たとえば、アリアは車格も価格も上で、新型リーフも500万円以上、軽EVのサクラはコスパはいいがサイズや航続距離に限界がある。N7のように300万円台で高性能な自動運転機能やディスプレイ、室内空間も余裕たっぷりとなれば、日本でも確実にニーズはあるはずだ。

 政府はBEV普及を掲げているが、肝心の「買いたくなるクルマ」がなければ普及は進まない。N7が中国で示した2万台という数字は、単なる成功事例ではなく、「こうすればBEVは売れる」という明確なメッセージと言えるだろう。

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