電動化の波が我らがランクル300にもやってきた。時代とはいえ「とうとうハイブリッドか……」と悲観的に思っている人も少なからずいるハズ。そこでランクル専門家にランクル300のハイブリッド化は是か否かを直撃!! 読めば納得なうえ、乗るのが楽しみになるゾ!!
文:河村 大/写真:トヨタ・ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】結構違うゾ!! ランクル300ハイブリッド専用装備を一挙に!!!!!(4枚)画像ギャラリートルクがディーゼル超え!! ランクルハイブリッドのモンスターっぷりがスゴい
ランクルのハイブリッド化が是か非か、と言われれば「是」だと答えたい。なぜなら私は200系の頃から「ランクルといえど環境への配慮なくして存在し続けることはできない」と言い続けてきたからだ。
そんなことはトヨタも百も承知。300系では前モデルからエンジンをダウンサイジング化。軽量高剛性なフレームやアルミボディーパネルの採用等で200kgの軽量化を果たして来た。
こうして得られた燃費はディーゼルで9.7、ガソリンで7.9km/L(WLTCモード)。今回はレクサスLXと同じシステムでハイブリッド化されているので、ツインモーターのガソリン車で9.2km/Lくらいの数値が期待できる。しかもトルクはディーゼルの700N・mを越え、790N・mというバケモノのような値だ。
元々300系のガソリン車はエンジンの吹けが軽く、頭が軽い分回頭性や段差乗り越え性能にも優れ、オフロードでもディーゼルより素直で扱い易い場面が多かったが、これにより力の上でも燃費の面でもディーゼルに勝るとも劣らない性能を手に入れた。
四駆性能はむしろレベルアップ!! 悪路でも電気が活躍!!!
ここで気がかりになるのが四駆性能の劣化だが、そこは心配ない。今回のハイブリッド化ではエンジンとミッションの間にモータージェネレーターとクラッチが追加されただけの、とてもシンプルなシステムが採用されたからだ。
このクラッチによって1,エンジン+モーター、2,エンジンのみ、3,モーターのみ、の3種の動力源が使えるようになったというだけで、そこから後のトルコン付き10速AT、2スピード・トランスファー、センターデフロック、アクスルデフロックといった、ランクル旗艦の悪路走破性を支えてきたフルタイム4WDのメカニズムは一切変わっていない。
逆に言えば、ローレンジだろうとクロールコントロール中だろうとお構いなく、あらゆる場面で電動システムが使えるようになっている。
とはいえネガも!! ランクル専門家の鋭い意見をどうぞ
ではいいことずくめなのか? といえばそうではない。重量増はスタックのし易さとレスキューのしづらさに繋がるし、追加システムの存在は故障の増加に繋がるはず。耐久性や渡河性能への影響だってあるだろう。
でもそこで、他の乗用車とは比較にならないほど厳しい〝ランクル基準〟をクリアさせられたからこそ、実力主義の中東で発表したワケだ。
これはランクル史に残る挑戦と言ってもいい。果たして、伝統と信性という名に縛られ、最後まで変わることのなかった「シーラカンス」が、電動化という新たな海でどんな泳ぎを見せるのか? そして本当に生きて帰ってこられるのか? 国内の発売を楽しみに待ちたい。
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