社長のクルマはLS? クラウン? いやいやランクル70なのよ! 歴代ランクル70を乗り継ぐトヨタディーラーの社長が凄かった!! 

社長のクルマはLS? クラウン? いやいやランクル70なのよ! 歴代ランクル70を乗り継ぐトヨタディーラーの社長が凄かった!! 

 社長専用車と言えば何を思い浮かべるだろうか。レクサスLSやクラウンなどのセダンや、アルファードやレクサスLMといった高級ミニバンが最近の主流だ。そんな中、四半世紀にわたり仕事でもプライベートでもランクル70に乗り続ける社長がいる。会社の事業は林業? いやいや、トヨタディーラーの社長なのです。

文/画像:佐々木 亘

【画像ギャラリー】ランクル愛が止まらない!! ツウなカスタムが盛りだくさん!!(17枚)画像ギャラリー

無骨なデザインに高い機能性! ランクル70は社長に愛されるクルマだった?

後藤社長の所有している3台。日常の足にして、宮城県内から東北一円を走り回っている
後藤社長の所有している3台。日常の足にして、宮城県内から東北一円を走り回っている

 社長と言えば、運転手付きの黒塗りのセダンや高級ミニバンに乗っていそうだが、どこに行くにもランクル70を自分で運転して動き回る、そんなトヨタディーラーの社長が仙台にいた。

 それが、宮城トヨタ自動車株式会社の代表取締役社長である後藤 誠氏。後藤社長は2000年式の最終型のランクル70と、再販モデルにあたる発売30周年記念復活モデル、そして現行型の再々販モデルの3台を日常の足にして、宮城県内から東北一円を走り回っている。

 なぜトヨタディーラーの社長がランクル70に乗り続けるのか、その理由を伺ってみた。

 後藤社長は小中学校の頃から、ランクル40やジープのようなヘビーデューティーモデルを愛する少年だったという。四駆のラジコンやプラモデルでランクルに触れ続け、トヨタの中でどのクルマが好きかと問われれば、即答で「ランクル!」と言い続けてきた。

 そんな後藤社長が愛車にするとしたら、ランクル40の血を引くランクル70。そう思っていたころ、当時のランクル70が最後のマイナーチェンジを迎えた。

 前軸がリジットリーフからリーディングアーム+コイルスプリングへ変更され、これなら普段の足としても使いやすいだろうと愛車にすることを決断。様々に手をかけ、現在まで四半世紀、15万km超を共に過ごしてきたのだ。

ツウが見ると違和感大アリ! ベージュの初代70にナローで丸目の再販モデル

トヨタ 初代ランクル70。このベージュカラーは当時存在した‘‘トクサイ’‘という方法でオーダーされたもの
トヨタ 初代ランクル70。このベージュカラーは当時存在した‘‘トクサイ’‘という方法でオーダーされたもの

 初代から現行型まで、綺麗なベージュの70が並ぶ尊い光景。ただ、この写真には各所に違和感がある。まず、初代70に詳しい方ならもうお気づきだろう。このボディカラーは、かなり特殊なのだ。

 当時のカタログを見てみると、初代70に設定されていたボディカラーは、ホワイト・グレーメタリック・レッド・イエロー・ブルー・ランドブリーズトーニングの6色で、ベージュは存在しない。だったらベージュに全塗装したのではと思うのだが、それも違うというのだ。

 このベージュはメーカー製造ラインから生まれた紛れもない本物で、当時存在した‘‘トクサイ’‘という方法でオーダーされたもの。これは業務用の特別なクルマをオーダーできる制度だ。この制度で5台ほどベージュの70を作り、後藤社長が乗っているのは、この特別なナナマルの中の1台なのである。

 さらに、パッと見では分からないツウなカスタムが、トクサイの初代70には施されている。

 まず前後バンパーはメッキから黒へ変更、グリルも黒に変わっている。これらはパーツを外して塗ったのではなく、当時存在した消防車用のランクル70からの部品流用。

 ドアミラーも本来はメッキだが、海外仕様の外側だけをもってきて、電動リモコンドアミラーのユニットはそのまま生かしているというコアなカスタムだ。

 さらに足回りは車高を2インチアップして、ヘッドライトはLEDへ変更。心臓部にはターボが付いているが、一番手がかかったのはメッキ類のブラックアウトだという。

 メッキをピカピカにしがちな、よくある70カスタムではなく、近年のトレンドであるマット系のブラック塗装に早くから目を付け、独自のギアに仕上げているのがなんともニクい。

 そして再販の35周年記念モデルも、ツウが見ると目がバグる仕様だった。本来角目のヘッドライトはトヨタ純正用品の70th記念丸目加飾ヘッドランプで丸目に変更。オーバーフェンダーを外してナロー化し、ホイールは16インチの6.5J+28へと変えた。

 隣に並べると瓜二つの両モデルなのだが、本来はここまで似ているクルマではない。ただそれを、さも「最初からこんなクルマです」と言えてしまうくらい自然にカスタマイズしていくのが、ナナマル愛の深い後藤流なのである。

次ページは : 自分の運転技能がある限りは乗り続けたい

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