SNSなどでトヨタの2.8Lディーゼルエンジン「1GD」の生産が終了してしまう、という情報が飛び交っている。ランクルを愛するベストカーWebとしては非常に大きなトピックだけに、この真相を少し探ってみた。ぶっちゃけた話、しばらくは安泰だと思われる。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、編集部
【画像ギャラリー】納期正常化だけが唯一の願い!!? 激推しディーゼル仕様のランクル見て(12枚)画像ギャラリーそもそもディーゼル廃止に排ガス規制が関係ある?
SNSなどで「ランクルシリーズに搭載される1GDエンジンの国内向けの廃止が決まった」という情報が出回っている。
まず最初から結論を言うとベストカーWebが掴んでいる情報では、この1GDエンジン(2.8Lディーゼル)の廃止という情報は入っていない。ましてやランクル250やランクル70のディーゼルモデル廃止や受注再開がないという話もつかんでいない。
そもそも1GDエンジンを国内仕様からフェードアウトさせる理由はどこにあるのだろうか? 1GDエンジン自体はユーロ6のエミッションをクリアしており、アドブルー仕様であれば日本はもちろん、欧州でも排ガス規制単体の影響は受けない。
もちろんオーストラリアがアドブルー仕様のランクル70へスイッチするタイミングもやってくるはずで、そのための生産調整などがあったとしてもトヨタが日本市場から1GDを排除するメリットは感じられない。
騒音規制という噂も出たけれど……
排ガスに問題がないとなると、次に噂になっているのが車両騒音規制。これについてはランクル70は2023年12月に発売開始だから、いわゆる70dBを上限とする「平成28年騒音規定”フェーズ2″(M1A2C)」が適用される。
しかしカタログスペックでは「71dB」でフェーズ2の上限である70dBには到達していない。もちろんこれには理由があり、国連規定「UN_R51-03」において下記の例外があるのだ。
“6.2.2.2. For vehicle types designed for off-road use, the limit values shall be increased by 2 dB(A) for M3 and N3 vehicles category and 1 dB(A) for any other vehicle category.
For vehicle types of category M1 the increased limit values for off-road vehicles are only valid if the technically permissible maximum laden mass > 2 tons”
ざっくり要約すればM1カテゴリー(ランクル70が該当)のオフロード車両については、技術的最大許容質量が2トンを超える車両のみ1dBの規制値引き上げを認めるというもの。つまり規定値より1dB大きな71dBがランクル70の場合の騒音規制値なのだ。
国土交通省への取材によれば「M1A2C」という認可基準の「C」はオフロード車を示すとのことで、この例外措置を適用したのは間違いない。ちなみにランクル250についてもディーゼル、ガソリンともに「M1A2C」だ。
つまり2024年10月の「フェーズ3」施行開始よりも前に型式認定されている再再販ランクル70(とランクル250)については、当分の間は問題なく「フェーズ2」の車両騒音規制で対応できるってこと。そうなると「騒音規制が原因」という噂も1GDエンジン搭載車やランクル70を排除する理由ではなくなる。













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