お盆の帰省シーズンが近づくと、どうしても気になるのが高速道路の渋滞。毎年のことながら「またか…」と思いつつ、避けられない人も多いはず。ところが最近、そんな渋滞を生まない走り方が注目されているという。その名も「渋滞吸収運転」! その走り方のコツと、なぜそれが効くのかをご紹介!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=show999@Adobestock)
【画像ギャラリー】こんな状況で渋滞吸収運転が効果を生む!(5枚)画像ギャラリー渋滞の原因は“気づかない上り坂”だった!
渋滞と聞くと、事故や工事のせいで車線が減ってるんじゃ? と思いがちだが、じつはもっと地味な理由で起こっている。ズバリ、原因は「気づかない上り坂」だ。
高速道路には“サグ”と呼ばれる、微妙に上っている場所が点在している。ドライバーはこの坂を無意識のうちに走っていて、気づかぬうちにスピードがじわじわダウン。それでもアクセルを踏み増さないから、後続車がどんどん接近し、ブレーキを踏むことに。これが連鎖して「自然渋滞」が発生するのだ。
つまり、渋滞って単なるクルマの“詰まり”じゃなく、ドライバーの無意識な挙動が原因になってるってわけ。ではどうすれば、その連鎖を止められるのか?
ちょっと車間を空けるだけでOK! 渋滞吸収運転のやり方
そこで登場するのが「渋滞吸収運転」。聞き慣れないかもしれないが、やることは実にシンプルだ。ポイントは以下の3つ!
- 渋滞の気配を感じたらスピードを落とし、最後尾にピタリとつかず、距離をとる
- 車間距離は20m程度、つまり白線とその余白1セット分を目安にキープ
- 割り込みされてもムキにならず、さらにスピードを落としてまた車間を空ける
これによって、自分の前のクルマの急ブレーキや加速を“吸収”し、後ろのクルマにその動揺を伝えないのだ。大型トラックや観光バスがよくやってるアレ、まさにあれが理想的な走り方!
アダプティブ・クルーズ・コントロールを使っている人は、車間距離を最大に設定して走ってみよう。これだけでも十分に効果があるぞ!
割り込みされても焦らない ゆとりある運転が渋滞を救う!
「なんだか弱気な走りじゃない?」と思うかもしれないが答えはノー。東京大学の西成教授とJAFが共同で実験した結果、この運転が実際に渋滞緩和に効果があることがわかっている。YouTubeにもその様子が公開されているので、気になる人はチェックしてみてほしい。
実際にやってみると、最初は割り込みにイライラしがちだが、ペダル操作が減るぶん運転はラクになるし、「自分が渋滞を抑えてる」って感覚もなかなか心地いいのだ。到着が早くなるわけじゃないけど、クルマの流れがスムーズになるなら万々歳!
この「渋滞吸収運転」、今後はアダプティブ・クルーズ・コントロールの進化にも活かされるかもしれない。だから、もし渋滞時にやたら車間を空けて走ってるクルマを見かけたら、「あ、あの人やってるな!」と優しい気持ちで見守ってほしい。








コメント
コメントの使い方アダプティブ・クルーズ・コントロールは渋滞吸収運転には不向きです。
車間距離を広めに設定したところで、機械的に車間距離を一定に合わせようとしてしまうため、前の車がブレーキを踏むとそれに合わせてブレーキが作動してしまうからです。
おまけに、渋滞吸収運転に必要なほど広い車間距離を設定できる車種がほとんどありません。
単に車間距離を開けることが渋滞吸収運転ではないですよ。
①渋滞に差し掛かる前から十分に速度を落とす
②渋滞に差し掛かったら、できる限り加減速を少なくして進行する
③渋滞を抜けたらしっかりと加速する
渋滞中は「ちょっと進んでブレーキ」を繰り返す車が増え、これが渋滞を増加させる原因です。
ただ車間を開けて追従するのではなく、車間距離を利用してブレーキ時間を減らすことが渋滞を吸収することになります。