ついに日本に導入されるアウディ Q6 e-tronは、アウディBEVの新時代を告げるSUV。BEVの魅力であると同時に、純エンジン車好きからは悪目立ちと捉えられがちな「鋭い加速」をあえて抑えるなど、純エンジン車好きにこそ試して欲しい一台だ。
※本稿は2025年7月のものです
文:西川昇吾/写真:西尾タクト
初出:『ベストカー』2025年8月10日号
アウディBEV「初」が盛りだくさん!
さまざまなセグメントでBEVを展開するアウディだが、新メカニズム満載のQ6 e-tronは、次世代のアウディBEVをスタートさせるモデルだ。
新世代のプラットフォームPPE、ATFオイルを使用したドライサンプ方式のモーター冷却システム、新開発のリチウムイオンバッテリーなど、さまざまなアウディのBEV「初」のメカニズムが採用されている。
それはユーザーが触れる部分にも表れている。新開発の電子アーキテクチャーを採用。車両の制御に関してはもちろんだが、コネクテッド機能やインフォテインメントにもその恩恵は表れている。新型のA5/S5でも採用されているが、乗員を取り囲むMMIディスプレイはその最たる例だ。
採用メカニズムとインテリアを思えば先進的な印象であるQ6 e-tronだが、実際に運転してみるといい意味で保守的であった。特にこれまでICEのドイツ車を愛用していた人が受け入れやすいドライブフィールであった。
BEVをはじめとした電動車は回生ブレーキのフィーリングを嫌う人も多いと思う。このモデルは日常の95%を回生ブレーキで減速するというが、ブレーキタッチをはじめとした制動感覚は回生の介入を忘れるほど自然で、ドイツ車らしく剛性感のあるブレーキタッチが好印象だ。
スロットルに対するトルクの出方も緻密で、ビックリな加速感を演出するBEVらしさはあえて消している印象だ。
ほかにもステアリングなど操作系全般に適度な重さがあり、その感触はとても自然でICEからの乗り換えでも戸惑わないだろう。ドイツ車的なBEVの次世代スタンダードと思わせるドライブフィールであった。
長年ドイツのICE車を愛している人にこそ試してほしい。そんな一台だ。
●アウディ Q6 e-tron advanced 諸元
・全長:4770mm
・全幅:1940mm
・全高:1695mm
・ホイールベース:2895mm
・車両重量:2200kg
・モーター出力:252ps※/45.9kgm(※ローンチコントロール起動時は292ps)
・バッテリー容量:83kwh
・1充電走行距離:569km
・駆動方式:後輪駆動(RWD)
・価格:839万円


















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