世の中には、出自がまったく異なるのに見た目が似ているクルマが存在する。果たしてこれは偶然か? それとも意図したものなのか? 今回は、古今東西のソックリさんを比べていくことにしよう。
文/長谷川 敦、写真/ダイハツ、トヨタ、フェラーリ、ポルシェ、ホンダ、マツダ、ルノー、Newspress UK、CarWp.com
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●トヨタ クラウンスポーツ VS フェラーリ プロサングエ
比較的最近「似ている」と話題になったのが、トヨタの新型クラウンスポーツとフェラーリ初の4ドア4シーターモデルのプロサングエ。
実際にどこまで似ているのかは写真を見て自分で判断してもらいたいが、できるだけ客観的な視線で見ても、やはり似ていると思う人は多いだろう。
日本製高級セダンの代表格だったクラウンは、現在の世代からSUV方向への変化を遂げ、その系譜にあるクラウンスポーツもまたクロスオーバーSUVテイストを色濃く持ったルックスをしている。
対するプロサングエは、フェラーリが初めて作った4ドア&4シーターのモデルであり、フェラーリは4ドアスポーツカーと称しているものの、やはりSUV的な見た目なのは間違いない。
両車が正式発表されたのは、クラウンスポーツが2022年7月でプロサングエが2022年9月と、わずかにクラウンスポーツが先だが、クルマの開発にかかる時間を考慮すると、両車が似てしまったのは偶然の可能性が高い。
そしてボディサイズは、クラウンスポーツが全長×全幅×全高=4720×1880×1565(スポーツRSは1570)mmで、プロサングエが4973×2028×1589mmとそこそこの違いがある。
クラウンスポーツとプロサングエを並べてみることができた場合、サイズの違いからあまり似ているとは思えないかもしれない。
プアマンズポルシェと呼ばないで
●ポルシェ 924 VS マツダ サバンナRX-7
マツダが1978年に発表した新型スポーツカーのサバンナRX-7は、マツダお得意のロータリーエンジンを搭載し、当時のスポーツカーではメジャーだったリトラクタブル(開閉)式ヘッドライトを採用した意欲的なクルマだった。
しかし問題はそのスタイルで、エンジン形式こそ違うものの、全体的なシルエットはポルシェのフロントエンジンモデル・924にソックリといわれてしまった。
これも見る人によって意見の分かれるところではあるが、やはり924とサバンナRX-7が似ているというのも理解はできる。
ポルシェ 924とサバンナ RX-7は販売価格に開きがあり、924に比べてサバンナRX-7の価格はかなり低かった。
このことから、経済的理由でポルシェを買えない人でも手が届くモデルという意味で、サバンナRX-7が「プアマンズ(貧しい人の)ポルシェ」と呼ばれてしまうこともあった。
ちなみに1985年デビューの2代目FC型RX-7もまた、ポルシェ 944に似ているといわれていた。
●ポルシェ ボクスター VS トヨタ MR-S
またしてもポルシェの登場だが、RX-7からは時代が進み、今回の比較対象は1999年発売のトヨタ MR-Sだ。
ポルシェ ボクスターは、ポルシェが北米市場をメインターゲットに開発したオープン2シーターのミドシップエンジンモデル。
これに似ているといわれたMR-Sは、かつて販売されていたミドシップライトウエイトスポーツカー・トヨタ MR2の系譜にあるモデルとして開発された。
ボクスターとMR-Sの共通点は、ミドシップエンジンレイアウトであることと、オープン2シーターであることだが、クラウンスポーツとプロサングエ同様に実際のサイズがかなり異なる。
とはいえ、クルマにあまり詳しくない人が見れば、ボクスターとMR-Sが似ていると思っても不思議はない。
MR-Sも「プアマンズポルシェ(ボクスター)」というありがたくない称号をもらっている。





















コメント
コメントの使い方プロサングエは一番初期の匂わせ発言まで遡っても、トヨタがBEV発表会でクラウンスポーツ外観も世に出したよりも後発になるので
「似ているのはFerrariの方」になるのですが、未だに反日本の民が叩いてるのが滑稽です
デザインの自由度は、車体が10mm小さいだけでも劇的に難しくなると言われますから、250mmずつも小さいのに似てると言うなら、クラウンのデザイン技術が素晴らしいと認めてるも同じなんですよ